新型コロナウイルスによる感染は12月に入り、終息するどころか、再び拡大し、欧州各国が次々とロックダウンの導入措置を取り始めている。
ドイツに続き、イギリスもロックダウンの再導入を決定。フランスでは2度目のロックダウンが終了したが、代わりに夜間外出禁止令を発表、スペインでは緊急事態宣言が2021年5月まで延長された。
日本においても2020年12月17日、新たにコロナウィルス感染が確認されたのは3211人と過去最多となった。東京都においても822人と過去最多で1日の感染者数は初めて800人を超えた。
そんな状況のなか、2020年12月8日、小池東京都知事が、2030年までに東京都における純ガソリン車の新車販売を禁止する方針を発表した。
こうした純ガソリン車販売禁止に向けた動きは世界各国が打ち出してきており、ドイツとイギリス、スウェーデンなどが2030年、日本と中国、米カリフォルニア州などが2035年と目標年を定めている。
「コロナウィルス感染拡大」、そして「純ガソリン車の新車販売禁止への動き」という2つの重大な出来事が起きたわけだが、自動車ユーザーにとって気になるのは、それがガソリン価格にどのような影響を及ぼしているのか、ということ。
そして、もう1つ気になるのは、コロナウィルスの影響下で、ガソリンスタンドの経営は大丈夫なのか?
そこで、石油元売大手の経営状況をはじめ、業界紙の『燃料油脂新聞』、都内のガソリンスタンドをモータージャーナリストの岩尾信哉氏が調査した。
文/岩尾信哉
写真/ベストカーweb編集部
取材協力/「ガソリン価格比較サイト gogo.gs」 燃料油脂新聞社
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ガソリン価格はどう変化したのか?
まずは、資源エネルギー庁石油情報センターが発表した直近、12月14日時点でのガソリンの小売価格を確認してみると、レギュラーガソリンの店頭現金小売価格は134.7円と、4週連続の値上がりとなっている。
より実態に近い全国のガソリン価格の情報を掲載しているガソリン価格比較サイトの「gogo.gs」を見ると、レギュラーガソリンの店頭での実売価格は最近では120円台だったものが130円に差しかかっており、12月17日時点での全国平均の実売価格はレギュラーガソリンが131.0円、ハイオクガソリンが141.9円、軽油が110.9円となっている。
ちなみに東京都内でのガソリン平均価格はレギュラーガソリンが130.0円、ハイオクガソリンが139.6円、軽油が108.0円(gogo.gsの掲載価格、12月17日時点)。
東京都の現金払いの最低価格はレギュラーガソリンが120円、ハイオクガソリンが130円、軽油が96円となっている(gogo.gsの掲載価格、12月17日時点)。
具体例として、東京都内のガソリンスタンドとして安価な販売価格で知られている環状8号線沿いのシンエネ(正式名称は「ENEOSシンエネ商事EneJetシンエネ八幡山SS」)に、景気の状況を聞いてみた。
年末の多忙な時期に差し掛かっていることもあって、同SSの責任者に話を聞けたのもわずかな時間だった。
「こちらでは一般的なSSの倍以上のお客様が来店されているので、コロナウイルスの影響は大きくはありません。24時間営業ですので夜間の来店は減少しましたが、売り上げに関しては、コロナ禍の影響とは関係ありません」とコメント。
ちなみに同店の2020年12月17日時点でのレギュラーガソリンの店頭現金価格は127円、プリペイドカード会員価格は117円だった。
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