日野チームのメンバーのコメント
●菅原照仁
ハイブリッドになって初めてのダカールに臨み、新しい時代を感じながらスタートしました。主催者のトラブルなのか、ペースの速い車両のスタートが遅れたため何度かコース上で避けて先行させる場面があり、多少のタイムロスになったと思います。ともあれ初日としてはまずまずの内容でした。
●望月裕司
短いSSで新型車両のポテンシャルを出し切るには至りませんでしたが、実戦でハイブリッドのアシスト効果を感じることが出来ました。まだまだ手探りの部分もありますが、しっかり熟成して行きたいと思います。
●染宮弘和
12月上旬にハイルラリーに出場したあと、そのまま当地で調整を続けてきましたので、体調は万全です。今回もロスなく走れるようミスのないナビゲーションを続けたい。照仁さん望月さんとのコンビも3年目でコンビネーションも良好です。
【従軍記者・多賀まりおの「ダカール2022」短信】
最近のダカールは、なぜサウジアラビア単独開催なのか?
ダカールの2022年大会の舞台はサウジアラビア。20年以来3年連続の開催地となります。1979年の12月にスタートしたパリ~ダカール・ラリー(当時)の第1回大会は、その名の通りパリからダカールまで競争しようという冒険色の濃いモータースポーツイベントでした。
しかし回を重ねて人気が高まるにつれて安全面への配慮から極端に難易度の高いコース設定は影を潜め、相対的に純粋な競技性が重視されるようになりました。また、90年代の後半になると競技の舞台となる北アフリカ諸国で治安や政情が悪化。ラリーのルート確保は徐々にむずかしくなってきたのです。
そんな中、2008年大会(リスボン~ダカール)はアル・カイダのテロ予告によってスタート直前で中止に……。これをきっかけとしてダカールはチリとアルゼンチンからの招聘、つまりはスポンサードを得て09年から南米で開催されることになりました。
現在は20年から5年間と言われるサウジとの契約に基づいて同国内での開催が続いているところです。アフリカ大陸の東側に隣接するアラビア半島の大半を占めるサウジアラビアは、北アフリカに似た砂漠がふんだんにあり、治安も安定していて現在の参加者には概ね好評のようです。
パリにもダカールにも行かない「パリ・ダカ」は目的の地を象徴する「ダカール」に大会名を変更。昔を知る人は今や冒険ラリーの面影はないと揶揄しますが、個人的にはダカールの参加者それぞれの目標に対する挑戦は、冒険なのだと思います。
なお、現在のダカールの主催者は創始者ティエリー・サビーヌのTSOから93年に権利を買い取ったアモリー・スポール・オルガニザシオン。ASOと略される同社はツール・ド・フランスも開催するフランスの大手スポーツイベント会社です。
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