巨大なキャビンのデメリットを解消!? 美川ボデーが製作したスカニアベースの平ボディはココがスゴい!!

巨大なキャビンのデメリットを解消!? 美川ボデーが製作したスカニアベースの平ボディはココがスゴい!!

 フルオーダーメイドの平ボディの製作を専門とする美川ボデーが、スカニアベースの平ボディを製作。スカニアは国産大型トラックに比べてキャブ前後長が長く、単車の平ボディでは荷台内法長が短くなってしまうデメリットがあるが、今回の車両はある工夫でそのデメリットを解消し、ドライバーの快適性と運用性を両立しているのが大きな特徴。一体どんなクルマなのか? 納車直前の実車を取材した。

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2023年3月発行「フルロード」第48号より

国産大型トラック同等の荷台内法長を目指す

美川ボデーが製作したスカニアベースの平ボディ。ユーザーの栄希は建築資材、大型LPガスタンク、超大型発電機などを運んでおり、今回は居住性に定評があるスカニアを初導入。キャブ前後長の長いスカニアで国産同等レベルの荷台スペックを実現する点にこだわったという
美川ボデーが製作したスカニアベースの平ボディ。ユーザーの栄希は建築資材、大型LPガスタンク、超大型発電機などを運んでおり、今回は居住性に定評があるスカニアを初導入。キャブ前後長の長いスカニアで国産同等レベルの荷台スペックを実現する点にこだわったという

 美川ボデーは大正13年(1924年)4月創業の車体架装メーカーで、2024年に創業100周年の節目を迎える。職人が一台一台ハンドメイドで製作するフルオーダーメイドの平ボディを専門とし、日本全国にリピーターが存在。今回のスカニアベースの平ボディも、地元神奈川県のリピーターからの依頼で製作されたものだ。

 依頼主の栄希(はるき/神奈川県愛甲郡)は建築資材をメインに、大型LPガスタンク、超大型発電機などさまざまな積み荷を運ぶ運送会社。輸送エリアは日本全国に及び、大型LPガスタンクに関しては九州行きの便が毎週1〜2便ある。

 従来こうした長距離輸送は国産大型トラックベースの平ボディで行なってきたが、社長の「ドライバーに楽をさせてあげたい」との想いから今回、居住性や快適性に定評のあるスカニアの初導入を決断したという。

 スカニアはキャブ前後長が約2.3mと国産の約2.0mよりも長く、これが室内空間の広さ=居住性や快適性に寄与する一方、キャブが長くて重たいため荷台内法長と最大積載量は少なくなりがち。今回の車両製作は、そんなスカニアで国産同等レベルの荷台内法長9300mmを確保することを目標に進められた。

軽量化で最大積載量もしっかり確保

 架装ベース車両はスカニア低床3軸6×2シャシー(車両総重量25トン級/ホイールベース7100mm/フルエアサス)で、キャブは上級グレードRシリーズのハイライン(ハイルーフ)仕様。キャブ前後長は2280mmで、室内の床から天井までの高さは1915mm〜2070mmに達する。

 荷台は5方開で、キャブのすぐ後ろに収納付きのボックス型鳥居を搭載。鳥居の前後長は従来の国産大型トラックの400mmの半分の200mmとし、これをギリギリまでキャブに近づけてマウントすることで、従来の国産大型トラック(9300mm)と同等の荷台内法長9270mmを実現した。

 車体のねじれを抑制するサブフレームは、縦根太に鉄製を採用する一方、横根太には軽くて丈夫なアルミ製を採用。ちなみに美川ボデーは縦根太、横根太のアルミ化の第一人者として知られる。

 床板は軽くて丈夫かつ供給も比較的安定している竹床材を採用。これにより通常のアピトン床材と比べて約100kgの軽量化=最大積載量アップを実現しているという(今回の仕様の場合)。床フックの仕様は左右が片側31個、中央15個。最大積載量は国産大型トラックと遜色ない13200kgを確保する。

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