ナビやスマホのない昔は知識と経験がすべて!! 激狭峠を大型トラックで攻略!?【トラックドライバーが綴る忘れ得ぬ道】

ナビやスマホのない昔は知識と経験がすべて!! 激狭峠を大型トラックで攻略!?【トラックドライバーが綴る忘れ得ぬ道】

 トラックドライバーと道路は切っても切れない関係ですが、そのぶん「あの道はこうだった」「あの時こんなことがあった」など「道」にまつわるエピソードがたくさんあると思います。そこで今回、現役ドライバーさんに道路にまつわる思い出を聞いてみました。

 今回登場してもらうのは北九州発の長距離ドライバーひろしさん。知らない人なら大型で「通れるの?」と思うような山越え攻略ルートの思い出の道を辿ってもらいました。

文/長距離ドライバーひろしさん 写真/フルロード編集部
※2021年6月発行トラックマガジン「フルロード」第41号より

昔は北九州から下道だけで全国を巡っていた

最近は労働時間のコンプライアンスが厳しくなり高速道路での移動がメインに……
最近は労働時間のコンプライアンスが厳しくなり高速道路での移動がメインに……

 最近は拘束時間の関係でどこへ行くにも全線高速移動をしています。寝る時間も増え、自宅で過ごす時間も増えたので、体は楽になりましたが、いつも同じ道を走るので運転して移動することの面白味は半減しました。

 昔は九州からどこに行くのも一般道を走っていました。天候や時期によって、さまざまな景色が見られ、毎航海キツさもありましたけど新鮮な日々で、飽きることなく毎日が楽しかったです。

 九州から関東に下道で走ると約24~28時間(休憩含まず)くらい掛かります。全線高速移動だと12~14時間くらい(休憩含まず)で走れるので、約2倍の時間が掛かります。地元九州を日付が変わる頃に出発したら、日本海側(国道9号線)に舵を取ります。

 大阪などに立ち寄る予定が無く、関東に直行する場合は、広島、岡山、神戸などの主要都市を経由する瀬戸内側(国道2号線)を通るより、島根、鳥取を抜ける日本海側のほうが交通量が少なく、走りやすいのです。

 鳥取砂丘を左手に見ながら丹波地方の山の中に、そこを抜けたら京都舞鶴方面に北上します。舞鶴の海上自衛隊基地を左手に見ながら進むと福井県に入ります。福井小浜から山越えして琵琶湖の裏側に抜けてくると、関ヶ原古戦場が見えて来ます。

 関ヶ原の通過時間によって高速に上がるか、岐阜方面に走り木曽路から甲州街道に降りるか、松本に抜けるか、それとも名古屋方面に抜けて東海道を走るか、行き先や時間帯などを考慮し長距離運転手としての経験をフルに生かしてルートを選択していました。

 「昔、昔……」というのもどうかと思いますが、当時はナビを付けている運転手は少なく、自分自身の経験値や情報が全てでした。今よりも運転手がプロだった気がします。

次ページは : 関東へ向かう山越えをどう攻略するのか!? 激狭道路の攻略ルート

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