運転手の数だけ「道」にまつわるエピソードがある……といっても過言ではないくらい、人より多くの道を走り、ときには苦い思いを経験するトラックドライバー。
今回は、そんな道にまつわる苦いエピソードを、北九州でドレージ便ドライバーとして活躍するHAPPYさんに語ってもらいました。
文/ドレージ女子HAPPYさん 写真/フルロード編集部・写真AC
※2021年6月発行トラックマガジン「フルロード」第41号より
知らない道は恐怖の道!! 道選びは慎重に……
みなさんお疲れ様です。北九州のドレージ女子のHAPPYです! じわじわ夏に近づいてきましたが、今年の夏も暑くなるのかなぁー? 水分・塩分しっかり摂って、乗り切って行きましょう!
さて、やっぱり運転手にとって「道をいっぱい知っている」のは「財産をたくさん持っている」のと同じだと個人的に思っています。
同じ目的地に向かうのでも、通る道によって、また通る時間帯によっても早いか遅いか、疲れ方まで変わってきます。道の選択肢がたくさんあるというのは、その時の状況に合わせてスムーズに仕事をこなす要素の一つになるのではないでしょうか。
高速道路の通行止めに遭ってしまった時なども、迂回させられた一般道は大渋滞します。その迂回路をさらに迂回できる道なんかを知っていたら、時間のロスを最小限に抑えられるし、渋滞疲れを軽減できたりもします。
どんな道でも知っていて損はないです。運転手とは切っても切れない密接な関係にある「道」は試練から癒しまで与えてくれます。
まだ「まっぷる」しかない時代のことです。茨城県で一桁の県道だから大丈夫だろうと思って走って行ったら、急にセンターラインが無くなり、そこから先はくねくねカーブの坂道、木の枝もバリバリ出ていて対向車は乗用車ばっかり。
「ヤバい(汗)。この先どうなっとるんやろ? 通れるんやろか?」と、もうプチパニック状態で停まることも引き返すこともできずドキドキしながら前に進みました。
幸い、その時乗っていたのは4t平ボディだったので苦労しながらもなんとか抜けられました。荷物を降ろした後も、やっぱり最短ルートなので来た道を戻ることに……。
かなり狭い山道を抜けたあたりで、対向車線に1台の10tウイング車と、ズラ~っと並ぶ乗用車の渋滞の列がありました。
たぶん私と同じで知らずに走って来たんだと思いますが、もう時すでに遅し。Uターンできるところも無く、そのまま突っ込めば身動きが取れなくなって、最悪の場合はお巡りさんを呼ぶ羽目になるでしょう。
ただでさえ狭いうえに渋滞までしていて、どうにもならないのでそのまま横を通り過ぎましたが、その後10tウイングがどうなったのか、未だに気になっています(笑)。このことが教訓となり、大型に乗り換えてからの道選びはかなり慎重になりました。