■日本でヒットを狙うが「強力なセールスポイント」が必要
最新のヒョンデのクルマで「アイオニック」という名前を持つシリーズは、すなわちEVのことを表している。
日本でも販売を開始したアイオニック5がその第1号だ。
今回の釜山インターナショナルモーターショーの目玉のひとつに、アイオニックシリーズ第2弾のワールドプレミアがあった。世界で初めて新型車を公開するということだ。
発表は午前11時。ショー会場のヒョンデブースには10時ごろから韓国メディアが多く会場に陣取っていた。
ハデなステージ演出の中でクルマが登場。ヒョンデモーターカンパニーの社長が自らハンドルを握って、舞台に走り出して来た。「アイオニック6」の登場だ。
この新EVは4ドアのセダン形状をしていた。全体のフォルムは、曲面を多用した、どちらかといえば、卵型のセダンだ。
直線を主体としたアイオニック5とはまったく異なるデザインをしている。これがヒョンデのいうチェスのような車種体系なのだろう。
ショー見学の前日、ナムヤンにあるR&Dセンターを訪問したとき、デザインスタジオで、何台かのプロトタイプモデルが並べられてあった。そのなかには、今後、日本への展開も考えているモデルもあり、日本向けへのアドバイスも求められた。
なかには魅力的なモデルもあったが、日本車との競合となると、強力なセールスポイントが不可欠。現時点ではそれがどこのあるのか、見出すのがむずかしい。
確かにアイオニック5はクルマのクオリティも高いし、EVとしての性能も、同じカテゴリーのトヨタbZ4Xやスバルソルテラよりも上だ。スタイリングも室内のデザインも個性的だし、先進技術も新しい。価格も国産EVと十分に競争できる。
でもいい車が売れるとは限らない。ユーザーが購入する動機がポイントになる。オンライン購入した後のサービスやメンテナンス、さらにリセールなど気になることはいくつかある。こうしたことを解決するのは時間かPRへのお金の掛け方だろう。
果たしてヒョンデは日本市場でEV先駆者のテスラを上回ることができるか。7月には中国の自動車メーカー大手のBYDもEVでの日本市場参入を2023年から行なうことを発表した。日本市場でのEV戦争は激しさを増していきそうだ。
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