【日産ラシーン絶版から20年】超個性派クロスオーバー先駆者の中古車事情

中古車相場は上昇傾向

 生産終了から約20年経つラシーン。

 約10年前、2010年当時の流通台数が約320台、価格帯は1000円~139万円だったこともあり、価格が割安ということそして四角いボディデザインがドライバーからボディの両端が把握しやすいということで初心者におススメとして頻繁に取り上げたクルマだった。 

1997年にマイチェンを受け、フロントグリルのデザインが変更された。全車デュアルエアバッグ、ABSが標準装備されたのもポイント

 現在の中古車の流通台数は約137台。3カ月前は約150台だったので、減少傾向となっている。ただ、生産終了から約20年経過しても100台以上の中古車が流通していることだけでも驚きだ。

 また、中古車の平均走行距離は3カ月前の約10万8000kmから約10万4000kmへと若干減少している。そして気になる平均価格は3カ月前の約54万円から約61万円へと値上がり傾向を示している。

中古価格はグレードではなくコンディション重視

 さらに詳しくラシーンの中古車相場を調べてみると、流通台数が約47台の1994年~1996年の前期型は流通台数もほぼ横這いで、平均価格も3カ月前が約60万円、今月が約59万円と横這いとなっている。

 しかし、流通台数が約90台と多い1997年~2000年までの後期型は流通台数が約100台から約90台へと減少し、平均価格は約58万円から約64万円へと6万円の値上がりとなっているのだ。

シートそのものはフカフカして上質とは言えないが、エクステリア同様にインテリアも独特の雰囲気を持っている。まさにラシーンワールドだ

 そして現在の価格帯を見てみると、約9万~約155万円となっている。10年前の価格帯より上昇しているのは、専門店によるレストアされた中古車が増えているからだ。120万円以上の中古車の多くは内外装がレストアされたクルマとなっている。

 また、1.5L車に設定されていた5速MT車もレア物件となっている。現在は10台流通しているが、価格帯は約26万~約138万円で、予算100万円は用意しないとラシーンのMT車は手に入れることができない状況だ。

 ラシーンの中古車のグレード分布を見てみると、最も多いのが約29台の1.5タイプA。そして1.5タイプII、1.5タイプIが続く。

 1.8Lエンジン車は1.8fタイプIIが11台、ブリスターフェンダーと丸目四灯のフロントマスクが特徴のフォルザ標準車、Sパッケージともに6台流通している。

ラシーンは純正で個性的なボディカラーをラインナップしていたが、中古車では全塗装したクルマもある。メンテナンスが施されたモデルが大半を占める

 そして、価格帯は1.5タイプAが約9万~約138万円、1.5タイプIIは約19.8万~約143万円、1.8ftタイプIIは約18万~約135万円。そして2.0フォルザは約28万~約100万円とグレードによる価格差はなく、コンディション重視の相場となっている。

 日産はレパードなど新車販売が不振のモデルでも中古車となって、人気が出て価格が高騰する車種が多い。ラシーンもレパードほどの価格高騰まではいかないものの、息の長い人気を誇るクルマの1台と言える。

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