WRX STI/EJ20ファイナルエディションは値上がり確実。カタログモデルも高根安定
最後に紹介するのが、2019年の東京モーターショーにEJ20ファイナルエディションを出展したスバルWRX STI。
1989年(平成元年)に登場した初代レガシィに搭載されたEJ20型2L水平対向4気筒ターボエンジンに改良を重ねて、進化させ集大成ともいえるエンジンを搭載していたのが、最終型となったWRX STIは2014年に登場。2017年に大幅改良を行い、 2019年12月23日までの受注分でカタログモデルの販売を終了した。
アイサイトを搭載したS4を含んだ中古車の平均価格は3カ月前の約301万円から現在は約288万円へと値落ちしているものの、WRX STIに絞って見ると、2014年~2017年までの大幅改良前のモデルは約322万円から約315万円へと値落ち。
一方の2017年~2019年の大幅改良後のモデルは約392万から約397万円とすでに値上がり傾向となっているのだ。
現在WRX STIの中古車の流通台数は約210台で、中古車のグレード構成を見てみると、WRX STIタイプSが約113台、STIが約84台となっている。限定車はS207が3台、S208が5台、RA-Rが1台でいずれもプレミアム価格となっている。
車種別に、より細かく見ていこう。まずS208は2017年10月26~11月12日の期間限定で、限定450台が販売されたコンプリートカーで、2619台の応募があり、抽選販売となった。
新車価格は、S208(標準仕様)が626万4000円、NBRチャレンジパッケージ(カーボントランクリップ)が689万400円、NBR チャレンジパッケージ(カーボンリアウイング)が710万6400円。販売台数の内訳は、S208が100台、NBR チャレンジパッケージが350台の合計450台となる。
現在流通しているS208は5台。NBRチャレンジパッケージの2018年式、730kmが最も高い857万円。続いて走行700kmのNBRチャレンジが788万円、7000kmのNBRチャレンジパッケージが699万8000円と続き、走行距離が少ないものは新車価格より100万円以上も高いプレミアム価格が付いている。
そして2018年7月19日~12月17日までの期間限定500台(499万8240円)で受注開始後、即完売したWRX STIタイプRA-R。流通台数は1台しかなく、この1台は走行4000kmで579万9000円と、新車価格より約80万円も高くなっている。
2019年10月24~11月11日までの555台の期間限定で受注されたWRX STIのEJ20ファイナルエディションは23.4倍となる約1万3000件の応募があり、抽選販売となった。
さすがにこのEJ20ファイナルエディションは中古車市場には流通していないが、今後流通してくれば、S208と同様、100万円以上のプレミアム価格が付くことが予想される。
最後に2019年12月23日までの受注で、生産が終了したカタログモデルのWRX STIの登録済み未登録車、いわゆる新古車も2台流通しており、いずれもWRX STIタイプSで、走行5kmのものが411万円、走行10kmのものは419万9000円で販売されていた。
新車価格はWRX STIの標準車が393万8000円、タイプSが413万6000円だから、ほぼ新車価格で販売されていることになる。
WRX STIの中古車相場は前述したように2017~2019年の大幅改良後のモデルは値上がり傾向にある。
最高出力300psを超える2L水平対向ターボ+6速MTというパワートレインを搭載したスポーツカーは今後出てくる可能性はかなり少ない。
しかも30年続いた最後のEJ20搭載車だけに、走行距離の少ないSTIの中古車価格は、今後値上がり傾向になっていくだろう。
コメント
コメントの使い方