【新型フィット受注好調!!】先代型はお買い得か?それとも? 

【新型フィット受注好調!!】先代型はお買い得か?それとも? 

 一般的にクルマの世代交代にあたるフルモデルチェンジを行うと、先代モデルの中古車相場は値落ちするものだ。しかし、まれに軽自動車やコンパクトカーなどは、フルモデルチェンジ直前から中古車相場が一時的に値上がりすることがある。

 その値上がりの理由は、在庫車が未使用中古車や登録済未使用車として市場に大量に出回るからだ。数十台程度であれば、ほとんど影響はないが、流通している中古車のだいたい20~25%くらいの高価格車が市場に流入すると値上がりするというわけだ。

 コンパクトカーの革命児とも言えるホンダ「フィット」が2020年2月にフルモデルチェンジを行い、4代目モデルが登場。ディーザー広告の効果もあり、SUVテイストの「クロスター」はすでに納車まで4カ月待ちとも言われるスマッシュヒットとなっている。

SUVテイストのオーバーフェンダーや、ルーバーデザインのフロントグリルなどの専用エクステリアを採用した「クロスター」。現在、大人気となっている

 いや、ホンダの基幹車種であるフィットであれば、立ち上がりでこれだけの受注は当然のことと言える。好スタートを切った新フィットの影響は、先代フィット中古車市場にどのような影響を与えているだろうか。紹介していきたい。

文/萩原文博
写真/HONDA

【画像ギャラリー】3代目フィットはどんなクルマだった!? 内外装をもう一度ご覧あれ!!


■今回の主役 3代目フィットはどんなクルマだった?

 3代目となる先代フィットは2013年9月に登場した。2代目までのキャラクターのような表情のあるフロントマスクから、ドイツ車を意識したシャープな外観デザインを採用。フィットの革新的パッケージングである「センタータンクレイアウト」をさらに進化させ、室内空間と多彩なシートアレンジが可能となった。

2代目と3代目の比較。初代よりはデザインがキリッとしたが可愛らしさも併せ持っていた2代目と、シャープさとスポーティ感が強かった3代目

 搭載されているパワートレーンは、1.3L直列4気筒i-VTECガソリンエンジン、1.5L直列4気筒i-VTECガソリンエンジン、そしてi-DCDと呼ばれる1.5L直4ガソリンエンジン+1モーターのハイブリッドシステムの3種類。組み合わされるトランスミッションは1.3L車が5速MTとCVT、1.5L車は6速MTとCVT、ハイブリッド車は7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)となっていた。燃費性能はハイブリッド車がJC08モードで36.4km/Lを実現しました。

フロントシート下にガソリンタンクをレイアウトする、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」。この技術により室内空間を大きくできるようになった

 2013年に販売されて以降、先代フィットは、2014年に一部グレードを除いたガソリン車に「あんしんパッケージ」と呼ばれる安全装備を全車標準装備し、2015年にはフロントグリルのデザインを立体的なデザインに変更するとともに、空気清浄機能付エアコンを採用するなど快適装備を充実させている。

 2017年6月に大幅なマイナーチェンジを行い、インラインタイプのLEDヘッドライトの採用をはじめとした内外装の変更とともに、ホンダの安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載。さらに、パワートレインは、特性を活かしたチューニングを行い、燃費性能と静粛性を向上させている。それでは、先代フィットの最新中古車事情を見ていこう。

■先進安全装備の有無が価格に影響大! 選ぶなら後期型

 現在、先代フィットの中古車は約3900台流通している。3カ月前の2019年12月の時点で約4400台。年明けに一旦ピークの約5000台まで増加したものの、その後は減少し、約3900台となっている。流通している中古車の平均走行距離は3カ月前の時点が約2.4万kmで、その後徐々に増え始めて現在は約2.8万kmまで延びている。

 平均走行距離の延長に連動するかのように、中古車の平均価格は3カ月前の約121万円から現在は約116万円へと値落ちしている。こうして見ると、先代フィットは最初に書いたような登録済み未使用車のようなクルマはほとんど市場に流通していないことがわかった。

 先代フィットは約7年間の販売期間があったが、運転支援システム「ホンダセンシング」が装着された2017年6月で前期型、後期型と区分したい。高齢ドライバー向けにサポカー補助金も始まっているし、やはりこれから購入して乗るのであれば中古車とはいえ、しっかりとフォローしてくれる運転支援システムはマストアイテムだと考えているからだ。

マイナーチェンジした後期型では、単眼カメラ+ミリ波レーダーを組み合わせた「ホンダセンシング」を搭載。車線維持支援システムや、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を含む全8機能がついた

 中古車の流通台数は、2013~2017年5月までの前期型が約2370台。そして2017年6月~2020年1月までの後期型が約1530台となっている。前期型の中古車で最も流通台数の多いのが2015年~2017年のマイナーチェンジ前までの約780台で、平均価格は3カ月前が約119万円。そして今月は約114万円と約5万円値落ちしている。

 一方の後期型は、2017年のマイナーチェンジ後から2019年までが約1518台と最も多く、平均価格は3カ月前が約167万円、そして今月は約164万円と約3万円の値落ちを記録した。前期型の2015~2017年式の走行距離は約2.7万kmで横這いとなっているのに対して、後期型の2017~2019年式は約7000kmから約9000kmへと延びているにも関わらず、値落ちは渋くなっているのだ。

 いくら年式が新しく、走行距離が少ない中古車が多いとは言え、平均価格の差が約50万円。この数字が物語っているのは、やはり運転支援システムを装着していないクルマは価格を安くしても、一般ユーザーは興味をしめさなくなりつつある。という中古車が置かれている現状なのだ。よって、ここからは「ホンダセンシング」が装備された後期型に絞って話を進めていきたい。

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