2020年6月にデビューしたトヨタ「RAV4 PHV」は、販売開始直後バッテリーの生産能力を上回る受注となった結果、受注中止となった。納期は約7カ月と発表されており、現在発注しても納車は2021年3月~4月となり、トヨタ車のなかで最も長い納期となっている。
プラグインハイブリッドのSUVのパイオニアといえば、三菱「アウトランダーPHEV」だ。国産PHVのなかで最も販売台数が多いと言われている車種で、苦戦する三菱車のなかでスマッシュヒットとしているモデルだ。
そこで、今回は「アウトランダー/アウトランダーPHEV」の最新中古車事情をチェックし、RAV4 PHVの登場でどのような影響があったのか、そしてなかったのか、現在の値動きなどを紹介する。
文/萩原文博
写真/MITSUBISHI、編集部
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■非常時にも活躍するPHEV 着実な進化でその魅力を大幅に向上
現行型アウトランダー/アウトランダーPHEVは、まず2012年10月にガソリン車のアウトランダーが販売開始された。ミドルサイズながら7人乗りの3列シートをレイアウトしている。
搭載するエンジンは2WD車が2L直列4気筒ガソリンエンジン、4WD車は2.4L直列4気筒ガソリンエンジンと駆動方式によって搭載するエンジンが異なっている。
そして2012年12月に2Lガソリンエンジンを採用したプラグインハイブリッドEVシステムを搭載したアウトランダーPHEVを発売。プラグインハイブリッド車で初めてV2H(Vehicle to Home)に対応。

低燃費と快適走行を両立するため、モーター駆動のみで走行する「EVモード」、エンジンを発電機として稼働し、発電した電力も使ってモーター駆動する「シリーズハイブリッドモード」、エンジン駆動をメインとし、必要に応じてモーター駆動によるアシストを行う「パラレルハイブリッドモード」の3つのモードを走行状況やバッテリー残量に応じて自動切換し、日常の走行ではほぼEVのみで走行することが可能となった。
加えて前輪はエンジンとモーター、後輪はモーターでそれぞれ独立駆動する「ツインモーター4WD」に三菱が培った車両運動統合制御システム「S-AWC」を組み合わせて車両の走行安定性を高めているのが特長だ。
2012年に販売開始後から改良が重ねられているが、トピックスと言えるのはまず2015年6月のマイナーチェンジ。内外装が変更され、フロントマスクは三菱の新フロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用した。

インテリアでは、シート表皮やデザインを変更している。加えて、サスペンションの取付部の合成を向上やリアのショックアブソーバーのシリンダーの大径化などによって乗り心地を向上させている。
そして、2018年8月に行われたPHEVのマイナーチェンジ(ガソリン車は一部改良)。プラグインハイブリッドEVシステムの中心となるエンジンの排気量を従来の2Lから2.4Lへ排気量拡大。同時に駆動用バッテリー容量の増大、最高出力の向上、リアモーター出力とジェネレーター出力のアップによってEV走行の渡航距離が延長された。

併せて、車両運動統合制御システム「S-AWC」においては、氷雪路などの滑りやすい路面で安定性とコントロールを高める走行を行う「SNOW」モードと、乾燥舗装路などでアクセルレスポンスと旋回性を高める「SPORT」モードが追加され、「LOCK」モードはより荒れた路面に特化した制御に変更された。

この2つのトピックスを踏まえて、最新のアウトランダー/アウトランダーPHEVの最新の中古車相場を見ていきたい。
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