年式の新しいモデルは値上がり傾向に
それでは現在の最終型パジェロの中古車事情を見てみよう。最終型のパジェロの中古車の流通台数は、10年以上販売されたロングセラーにもかかわらず、わずか約108台と少なめ。
3カ月前の2020年5月末の時点では約200台流通していたので、3カ月で半減してしまった。
流通している中古車の平均走行距離は3カ月前が約6.8万kmそして、現在は7.7万kmまで延びている。
ここまで見ると走行距離の少ない、コンディションの良い中古車が市場から姿を消したということが想像される。
そうなると平均価格は下がるのが一般的だが、絶版車となったパジェロは、3カ月前が約156万円で、その後上げ下げを繰り返して現在は約156万円とほぼ横這いで推移している。
平均価格の推移を1年という長いスパンで見てみると、ちょうど販売終了直後の2019年9月の最終型パジェロの中古車の平均価格は約212万円で年末までは横這いで推移していたが、2020年に入ると値落ちが進み、現在の約150万円台まで一気に値落ちが進んだ。
そしてゴールデンウィーク明けからは多少の上げ下げはあるものの横這いという値動きとなっているのだ。
横這いならば、急いで購入することもないなと思っている人もいるだろうが、実はそうではない。最終型のパジェロは約13年も販売されたロングセラーモデル。
2006年~2007年式の初期モデルは値落ち傾向となっているが、年式の新しい2016年~2018年式は3カ月で約7万円の値上がり、2015~2016年式は約25万円の値上がり。
そして流通台数は少ないものの、2014年式は約30万円の値上がりとすでに年式によって値上がり傾向が始まっているのだ。
最終型パジェロの中古車を年式別の分布を見てみると、最も多いのが約16台で2007年と2011年が並んでいる。
次いで、2009年の約12台。そして2015年の約10台までが二桁の流通台数でその他の年式はすべて一桁。最終年式の2019年式はわずか1台しか流通していないのだ。
現在、最終型パジェロの中古車の価格帯は約49万円~約428万円と非常に幅広い。グレード別の分布では最も多いのが約32台の3.2DTロングセクシード。価格帯は約122万~約428万円。
第2位は約18台の3.0ロングエクシードで価格帯は約84万~約180万円。そして第3位は約9台で3.0ロングGR、3.2DTロングGR、3.2DTロングスーパーエクシードが並んでいる。
グレード分布を見るとロングが中心で、3ドアのショートはわずか13台しか流通しおらず、価格帯は約50万~約250万円となっている。
ショート、ロングどちらでもガソリン車よりディーゼル車のほうが中古車相場は高くなっている。
残念ながら、2019年に700台で限定販売されたファイナルバージョンは流通していない。
今後は、特別仕様車のファイナルバージョンを中心にディーゼル車の中古車が高騰するのは確実といえる。
ロングはもちろんだが、ショートの3.2DT VR-IIはそもそも販売台数が少ないので、最終型パジェロの中古車の中でもレア度が高い。現在はまだ100万円台で購入できる中古車も流通しているが、今後は厳しくなるはずだ。
またパジェロの中古車の特徴といえるのが、地域別の分布。関東地方が約26台で最も多いのはわかるが、次いで多いのが北海道の約21台、そして東海、九州の約15台となっており、地方での需要が高いのだ。
特に降雪地である北海道の需要が高いため、今後この地方では中古車の高騰が予想されるので、購入するなら早めにしたい。
全体的にいえることだが、嵐の前の静けさではないが今後値上がりが予想されるので欲しい人は今のうちに手を打ちたいところだ。
最後に番外編として、1997年9月に登場したパジェロエボリューションの中古車相場を紹介しておこう。
中古車価格は約160万~259万円。概ね走行距離は10万km以上のものがほとんどだが、最高価格の259万円の個体は走行距離が3万4000kmの極上車となっている。
パジェロエボリューションの希少性を考えると今後は値が上がることが予想されるため、欲しい人は今のうちに買っておくべきだろう。
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