■80スープラのMT車は700万~1000万円
例えば先代80トヨタスープラ。大手中古車情報サイトに掲載されている80スープラの台数は2020年12月上旬現在、全国で32台。そのうちMT車が22台でAT車が10台なので、MT比率は約7割。探しやすいといえば探しやすいのだが、相場はMT車のほうが圧倒的に高い。
具体的には、ATであれば後期RZ-Sの低走行フルノーマル車も車両500万円前後で探せるのに対し、MTの類似条件車は700万~1000万円といったところ。走行10万km超の一般的な80スープラ同士で比べても、ATのSZはおおむね250万円前後だが、MTの類似条件車は350万円前後というのが相場だ。おおむねATよりもMTのほうが200万円以上も高いのだ。
専門店によれば「もはやMTじゃなくてATでもいい。それが80スープラのカタチでさえあれば!」と考える中高年ユーザーも最近は多いとのことだが、それでもやはり80スープラは「MTでガチャガチャやりたいクルマ」なのだろう。わかる。
■R34スカイラインはATよりもMTのほうが100万円以上高い
3世代前の日産スカイラインすなわち「R34スカイライン」を見てみると、全掲載台数は2020年12月上旬現在で102台。MT車とAT車の比率は「おおむね半々ぐらい」といった感じで、MT車が56台のAT車が46台である。
だが相場は、やはりMT車のほうが明らかに高い。
古い世代の中古車ゆえ「平均価格」を出してもさほど意味がないため「類似条件車」同士で価格を比べてみると、ATの1999年式スカイライン25GT-Xフルノーマル車(走行約6万km)が100万円前後であるのに対し、MTの1998年式スカイライン25GT-Xターボ(こちらも走行約6万km)は200万~230万円。
走行5万km未満のフルノーマル・ワンオーナー車だと、300万円以上の値が付くケースもある。R34スカイラインの場合、ATよりもMTのほうが100万円以上高いのだ。
ATのR34スカイラインが悪いとは決して思わないが、やはり往年のスカイラインはMTで乗るほうが、気分的にも「アガる」のだろう。
筆者も、もしもR34に乗るのであれば、多少高くともフルノーマルの5MT車を探したい。なぜならばそっちのほうが、今さら誰もホメてくれないとしても「自分が気持ちいいから」である。
ちなみにR34スカイラインの中古車は、「もともとMT車だった」という個体だけでなく、「AT車をMTに換装しました」という個体も数多く流通している。
R34の場合、MTへの換装コストは「中古部品を使う場合」で30万円ほど、「新品部品を中心に使う場合」で50万円~というのが目安となるだろう。
■NSXの場合、ATとMTの価格差は最高600万円!?
車両価格(中古車価格)がR34スカイラインよりも高い初代ホンダNSXでは、MT車とAT車の相場の開きはさらに大きくなっている。
具体的には、ATのベースグレードであれば、走行1万km台の博物館級の個体も車両900万円ちょいで探すことができるが、MTのベースグレードで博物館級を探すとなると、車両1500万円近くは必要になる。
そこまでの博物館級ではなく一般的な「走行10万km前後の個体」では、ATのベースグレードが500万円前後であるのに対し、MTのベースグレードは580万円前後と、価格差は比較的小さくなる。
が、それでも「MT優勢」であることに違いはなく、世のおじさんたち(だけではないかもしれないが)は「結局MTが好きなんだよね!」と考えていることが、改めて明らかとなった。
初代NSXの中古車のMT/AT比率は、2020年12月上旬現在、MT車が約70%でAT車は約3割。流通量においても(もともとの数が違うので当然だが)MT車が優勢である。
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