1850万円のお宝発見! どこまで高騰続く? 最新R32GT-Rの中古車事情

 スカイラインGT-R全体に言えることだが、相変わらず中古車相場が高騰しており、下がる気配は微塵も感じない。そんななか、なんとR32GT-R NISMOの中古車が1850万円で売りに出ているのを発見した!

 さっそく、伊達軍曹が1850万円で売っているショップに駆け付け実車を見に行った! なんと走行約7000km、ワンオーナーという博物館級だった!

 なぜ今、R32GT-Rの高騰が続いているのだろうか? 最新の中古車事情を伊達軍曹がお届けしよう。

文/伊達軍曹
写真/伊達軍曹 日産自動車

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■依然としてR32GT-Rの相場高騰が止まらない!

R32GT-Rは1989年8月~1994年12月まで生産された。総生産台数は4万3934台。写真は1850万円で販売されている1990年式GT-R NISMO。完全フルノーマル車だ。Ge3’ys(ジェミーズ)の所在地は東京都世田谷区上馬2-38-3

 先日は都内販売店の店頭に車両価格1850万円の1990年式が登場。こちらは、全日本ツーリングカー選手権に参戦するため500台限定で生産されたホモロゲーション取得用モデル「GT-R NISMO」で、なおかつ走行約7000kmのフルノーマル車ということで、高値となるのはもちろん納得である。

 だがそれにしても「1850万円」というプライスは強烈だ……ということで、販売店に連絡を入れたうえで実車を見に行ってみると、確かにそれは博物館級の個体であった。

軽量化のためリアワイパーレスとなっているほか、リアタイヤ付近の整流を目的としたプロテクタを追加。トランク部のニスモステッカーが本物の証

Ge3’ys(ジェミーズ)のホームページはこちら!

 こちらの希少物件を販売している東京都世田谷区の『Ge3’ys(ジェミーズ)』は、筆者はこれまで「希少輸入車の専門店」と理解していたのだが、取材対応していただいた営業部の川崎伸幸さんによれば「クルマの国籍には特にこだわっていません。貴重と思える“一点モノ”でさえあれば、輸入車・国産車にかかわらず仕入れ、販売させていただいております」とのこと。

 そして確かにこのGT-R NISMOは「貴重な一点モノ」である。

 1990年式ゆえ、間違いなく今から30年前に作られたクルマであるはずだが、どこからどう見ても「2018年ぐらいに製造され、屋内ガレージを持つ人物がそれを購入し、大事に保管しながら累計7000kmほどの距離を走ってみた」ぐらいのコンディションなのだ。

内装も30年の月日を全く感じさせない。ただし軽量化のためオーディオはおろか、エアコンすらレス仕様となっている
レースで勝つためのノウハウが織り込まれたエンジンルーム。タービン及びエキマニはNISMO専用品に換装されている

 ちなみにR32型スカイラインGT-Rの「GT-R NISMO」とは、タービンがセラミックからメタルに変更され、エキゾーストマニホールドも専用品を使用。そしてさらに軽量化のため、エアコンとオーディオ、リアワイパー、ABS、インタークーラーグリルが省略され、車両重量1400kgまでの軽量化が図られた。

 だがさすがにエアコンはオプションとして装着する人も多かったわけだが、こちらの販売車両はこだわりのフルノーマルゆえ、エアコンは付加されていない。そのあたりの「オリジナル度の高さ」も、この個体が博物館級と言える理由だ。

■R32GT-Rの中古車相場高騰は続くのか?

走行距離わずか6644km。車齢30年の車両として奇跡としか言いようがない。メーター改ざんなどないことは第三者機関によるチェックにより確認済である

 だが、この走行約7000kmの希少フルノーマルNISMOが1850万円というのは理解できるにしても(ちなみに仕入れ価格も相当高かったようだ)、そのほかの一般的なR32型スカイラインGT-Rの中古車相場も、ここ最近と変わらぬ高騰が今後も続くのだろうか?

 それについて前出のGe3’ys営業部川崎さんは「もちろん未来の相場を正確に予言することなど誰にもできません。しかし基本的には『R32型GT-Rの高騰は今後も続く』と思っておくべきかと思います」と言う。

 川崎さんいわく、対アメリカ輸出に関する「25年ルール」が適用される前のR32型GT-Rは、それこそ50万円から100万円ほどで仕入れることも可能だったという。しかし現在では「最低でも3倍。モノによっては4倍から5倍以上となるケースも多い」とのこと。

 「とはいえ国内の流通台数が大幅に増えたならば、相場が落ち着く可能性もある」と言うジェミーズ営業部の川崎さんだが、「でもそれは正直、望み薄でしょうね」とも。

 25年ルールが適用されて以降、今に至るまで海外(主に北米)への輸出は依然として活発なため、国内のR32型GT-R流通量は「せいぜい横ばい程度(川崎さん談)」で、今後大幅に増えるとはどうしても考えにくい。

 そして「せいぜい横ばい」の国内流通個体も、その多くは極端なカスタマイズが施されていたり、サーキット走行でけっこうなダメージを負っている個体も多い。

 となると、コンディションが良好あるいは「まあまあ良好」なフルノーマルまたは準ノーマル状態のR32型スカイラインGT-Rには「希少価値」が付いてしまう。

 で、希少価値があるモノの価格は上昇するというのが市場経済の原理原則であるため、前述のとおり「R32型スカイラインGT-Rの高騰は今後も続く」と考えられるのだ。

■R32GT-Rの中古車流通台数は73台、最高値はなんと2560万円!

1994年式R32GT-RのVスペックII N1。価格は2560万円。走行距離約7800km。在庫しているショップは茨城県鉾田市にある福田エンジニアリング。所在地は茨城県鉾田市大竹2146−2

R32GT-Rの中古車情報はこちら!

 2020年末現在、大手中古車情報サイトに掲載されているR32型スカイラインGT-Rの総数は73台。価格は最安値が298万円で、最高値はなんと2560万円。1850万円のGT-R NISMOにもたまげたが、さらに上を行くクルマがあったとは……。こちらは実走約7800kmの1994年式VスペックII N1だ。

 上記298万~2560万円の範囲内に約70台のR32型スカイラインGT-Rが点在しており、それらを「年式」や「走行距離」「グレード」などで機械的にゾーニングすることはできない。年式が古かったり、走行距離が多めであっても高いモノは高く、その逆もしかりというのが、こういった「古めの希少人気車」の常識であるからだ。

 しかし、そこを承知のうえであえて簡易的かつ便宜的なゾーニングをしてみるならば、2020年12月末におけるR32型スカイラインGT-Rの流通状況は、おおむね下記のとおりとなっている(※あくまで「おおむね」です。例外は多数あります)

走行距離わずかに7753km。奇跡に近い超低走行距離も車両価格のプレミアにつながっている
エンジンルーム内もオリジナルの状態を維持していることも希少性をアップさせている

●298万~399万円:走行12万km超のベースグレード。多少改造あり
●400万~499万円:走行8万km超のベースグレード。多少改造あり
●500万~699万円:比較的低走行なベースグレードまたはVスペック。改造箇所少なめ
●700万~999万円:走行5万km以下のベースグレードまたはVスペック。改造箇所少なめかフルノーマル。または逆に大幅なカスタマイズ済み
●1000万~1500万円:流通なし(2020年12月末現在)
●1500万円~:超低走行車。グレードはベースグレードまたはNISMO、VスペックII N1。フルノーマルか、または逆に大幅なカスタマイズ済み

 今後、上記の相場が下落傾向に転じるならいざ知らず、前段で検討したとおり「高騰傾向が続く」のであれば、上記ゾーンの中から「自分に合ったゾーン」を探し、そのうえで購入するしかない(もちろん「馬鹿らしいから買わない!」という選択肢もあるだろう)。

 もしもあなたが超絶資産家であるならば、選ぶべきは間違いなく「1500万円~」のゾーンだ。自宅のおしゃれなガレージに飾っておけば、それを見ながら飲むお酒やお茶もおいしいだろうし、たまにエンジンをかけて乗ってやっても、当然ながら楽しい。

 またもしも売却するとしても、場合によっては「買ったときの値段以上」で売却できるかもしれない。

 だが、筆者を含む大半の人間は「超絶資産家」ではないため、このチョイスはいささか非現実的だ。

 もしも現実的な線を探るとしたら……、狙い目は「400万~699万円」のゾーンということになる。このゾーンのなかから、走行距離などの表層的なスペックにとらわれるのではなく「そもそもの素性」を見極めて購入し、そのうえで、納車までにしっかりとしたメンテナンスをケチらず行う。

 ……とすると、なんだかんだで500万~800万円ほどの「乗り出し価格」にはなるはずだが、「それぐらいのお金と労力を投じても構わない!」と思えるだけの魅力と神話性を持っているのが、R32型日産 スカイラインGT-Rという稀代の名車。

 ご興味のある方は、ど根性とそこそこのお金をご用意のうえ、突撃していただければと思う。

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