■アヴァンシア 1999年9月~2003年10月
ステーションワゴンではなく、上級セダンの質感と落ち着きを持ちながら、ゆとりある広さと乗る人すべてが快適な居住空間、この「リムジン空間」を、新しいパッケージングと独創のスタイル「アーチキャビンフォルム」を採用したのが、1999年9月から2003年まで販売されたアヴァンシア。
外観デザインで特徴的なのが、「トップライトウイングハッチ」と呼ばれるテールゲート。狭い駐車スペースでも開口部を大きく取れるうえ、室内を明るく開放的に演出するトップライトウインドウも採用していた。
ボディサイズは全長4795mm×全幅1810mm×全高1545mm(4WD車)となっており、都市部に多い立体駐車場に対応している絶妙なパッケージだ。室内はゆとりある頭上空間と乗り降りしやすい高めのシート高に加えて、ミニバンのようなセンターウォークスルーを可能とするなど利便性の高さが特徴だ。
搭載するエンジンは最高出力215psを発生する3L V6と最高出力150psを発生する2.3L直4の2種類。最上級グレードには高速道路でのドライバーの負担を軽減する高速時の車速/車間制御システム「IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール」をオプションで設定するなど先進性も特徴だった。
2001年にマイナーチェンジを行い、車高を15mm下げるローダウンサスの採用やパフォーマンスロッドなどを搭載し、走行性能に磨きを掛けた新グレード「ヌーベルバーグ」を設定した。
現在、アヴァンシアの中古車の流通台数はわずか5台で、3カ月前の3台とほぼ横這いとなっている。
平均価格の推移も3カ月前が約34万円そして、今月は約36万円とこちらも実質的には横這いといえる状況だ。価格帯は約11万~約48万円で、3L車の流通はなく、2.3Lしかもローダウン仕様のヌーベルバーグが中心となっている。
■クロスロード 2007年2月~2010年8月
最後に紹介するのは、SUVのクロスロードだ。初代クロスロードはランドローバー ディスカバーリーのOEM車だったが、2007年2月から2010年8月まで販売された2代目クロスロードは全長約4.3mというコンパクトなボディに7人乗りの3列シートをレイアウトした優れたパッケージを採用したSUVだ。
外観デザインはスクエアな塊感のある力強さ、存在感を際立たせるとともに、センターピラーやウィンドウまわりを彫り深く面取りした造形とすることで逞しさを表現している。
搭載されているエンジンは1.8L、直4i-VTECと2L直4i-VTECの2種類で、組み合わされるミッションは5速AT。駆動方式は2WD(FF)と4WDを選ぶことが可能だ。
サードシートへのアクセスを考えて、リアドアは約80度の大開度を実現。また2列目シート肩口のレバー操作により、2列目シートが倒れ、スライドするので、3列目シートへのアクセスがスムーズに行える。
最上級グレードの20Xiには高速道路での運転負荷を軽減する車速/車間制御機能IHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール)や警報とブレーキ制御で追突事故の回避支援や被害の軽減を図る衝突軽減ブレーキ(CMBS)を採用するなど当時としては運転支援システムも充実していた。
現在、クロスロードの中古車の流通台数は約215台で3カ月前とほぼ横這いとなっている。一方平均価格は3カ月前の約76万円から現在は約86万円と約10万円の値上がりを示し、現在も進行中だ。中古車の価格帯は約26万~約178万円と非常に幅広く、100万円以上の価格帯ではカスタムカーが多く流通している。
トヨタ RAV4やジムニーといった直線的で無骨なデザインのSUVが人気となっており、同じようなデザインのクロスロードにも飛び火したことで値上がり傾向となっている。
グレード構成は1.8L車と2L車がほぼ半々で流通しているが、新車時に試乗した記憶によると、1.8L車は非力で加速性能がいまいちだったので、オススメは2L車だ。
クロスロードの中古車はカスタム済車を狙うのも良し、ノーマル車を手に入れて自分のこのみに仕上げるのも良しというお手頃なSUVだ。ただ中古車相場は値上がり傾向なので、購入するのであれば、早めにしたい。
わずか一世代で終わってしまったホンダ車を取り上げたが、どのモデルにもホンダ車らしいチャレンジスピリッツが込められている。なかでもクロスロードは今新車を販売すれば、もっと高い評価を得られたのではないかと思えてしかたない。
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