なぜブランドイメージがここまで上がったのか? 中古車相場に見るレクサスの価値

なぜブランドイメージがここまで上がったのか? 中古車相場に見るレクサスの価値

 ここ数年、ブランドイメージが一段と向上していると実感するレクサス。実際、レクサスが売れているのだろうか?

 レクサスが発表した2020年1月~12月の全世界の販売実績は71万8715台。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で対前年比6%の減少となったが、7月~12月期では前年同期比102%と体勢を立て直している。

 RXやESのセールスが相変わらず堅調だったことに加え、2020年秋投入の新型ISおよびLSが勢いを後押ししたことが背景にあるという。

 地域別の販売台数を見ると北米約29.7万台(前年比91%)、中国約22.5万台(同111%)、欧州約7.1万台(同81%)、日本約4.9万台(同79%)、中近東約2.7万台(同82%)、東アジア約3.2万台(同92%)。前年比プラスを記録した中国では、年間累計販売台数も過去最高となった。

 中国以外は前年比マイナスとなったが、直近の2021年1~3月の販売実績では、北米では7万4253台、前年比31.8%増と2年ぶりに前年実績を上回った。

 一方、中国では、前年比75.6%増の19万5600台の一汽トヨタ、前年比62.7%増の20万6100台の広汽トヨタとともにレクサスは前年比2.3倍の6万4100台と大躍進。コロナ禍の影響があるとはいえ、持ち直している状況だ。日本では1万6063台と、前年の1万4766台に比べ、前年比108.8%と微増した。

 コロナ禍の影響があるとはいえ、販売好調であることはわかったが、はたしてブランドイメージは上がったのか? ここでは中古車相場から見たレクサスの価値を見ていきたい。

文/萩原文博
写真/ベストカーweb編集部 レクサス

【画像ギャラリー】国内市場投入から16年 レクサスのブランドイメージ向上に貢献した上級モデルたち


日本開設から16年 レクサスブランドは日本に根付いたのか?

東京・高輪に開設されたレクサスのショールーム
自動車を販売するショールームとは思えない、まるで高級ホテルのような店内

 2021年3月30日に、レクサスはブランド変革に迎えた取り組みを発表した。次世代レクサスを象徴するEVコンセプトカー「LF-Z Electrified」を世界初公開するとともに、2025年までに世界各国や地域のニーズに応じて、10以上のEV、PHV、HVなどの電動車を含む、約20車種の新型や改良モデルの投入。

 さらに2025年には全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリンエンジン車の比率を上回ることを目指すこと。

 そして、2050年にはライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを目指したクルマづくりに挑戦すると発表した。現在、レクサスのEVは2020年10月に販売開始したUX300eの1モデルだけだが、これからEVを含めた電動化へのシフトを加速していく。

 レクサスブランドは、北米市場で1989年にLSとESを導入しスタート。そして満を持して2005年にGS、SC、ISが日本市場に導入され、全国に143店舗のディーラーが開設した。

 2006年にはフラッグシップセダンのLSが登場し、約15年が経過。2020年の新車販売台数は約4万9000台とコロナ禍の影響もあり、対前年比21%減と2017年以来3年ぶりに前年実績を下回った。

 しかし、RX、NX、UXといったSUVを中心に販売は順調でレクサスのアイコンであるスピンドルグリルを装着した多くのクルマが街を疾走している。

 レクサスが日本国内に導入された時に「ブランドが根付くまで10年はかかる」という意見が多く聞かれた。しかしレクサスは10年も経たないうちに、富裕層に支持され、15年でブランドの新たな戦略を発表するなど攻めの姿勢は変わらない。

 ではブランドイメージは向上したのか、以下に2つに指標がある。J.D.パワー(顧客満足度・コンサルティングの専門機関が行った調査報告である。

 1つは「2020年日本自動車セールス満足度(SSI)調査」。乗用車を新車で購入した際の正規販売店の対応に関する顧客満足度を総合的に分析するもので、セールスマンの納車時の態度、商談、契約手続きなどに関する調査だ。

出典 /J.D.パワー2020年日本自動車セールス満足度(SSI)調査・総合満足度ランキング
出典 /J.D.パワー2020年日本自動車サービス満足度(CSI)調査・総合満足度ランキング

 これによるとラグジュアリーブランドではアウディが1000ポイント満点中、775ポイントで1位。2位に772ポイントでレクサスが入っている。ちなみにメルセデス・ベンツとBMWは同ポイントで3位に入っている。

 もう1つの調査は同じくJ.D.パワーの「2020年日本自動車サービス満足度(CSI)調査」だ。

 こちらは点検や修理などのアフターサービスにおける販売店に対する顧客満足度を総合的に分析するもので、ラグジュアリーブランドではレクサスがメルセデス・ベンツ、ボルボ、アウディを抑えてダントツでトップを獲得している。

 この結果を見ると、レクサスはラグジュアリーブランドとして成功しているといえるだろう。

中古車相場から見るレクサスLCの価値は?

レクサスのフラッグシップクーペであるLC。ラインナップは5L、V8エンジンを搭載するLC500と3.5L、V6エンジン+モーターを搭載するLC500hの2本立て

レクサスLCの中古車情報はこちら!

 レクサスブランドが日本市場に根付き、支持されているということはクルマの残価率、すなわち中古車相場を見ればわかる。

 レクサスの日本市場におけるライバルはメルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ御三家だ。もしレクサスの人気が低ければ、こういったライバルより中古車相場が安くなるのだが、実際にはそうなっていない。

 高出力、低燃費を両立したハイブリッドをはじめ、G-Linkというテレマティックスサービスを提供し、オペレーターによるコンシェルジュサービスをいち早く展開するなど高いホスピタリティを誇るなど多くの人に支持されている。

 そこで、今回はレクサスのモデルのなかでも特に人気の高いモデルをピックアップし、中古車事情をチェックしてみる。

 レクサスのホームページを見ると、エントリーモデルのCTからヨットのLY650まで多彩な車種ラインアップが並んでいる。

 そのなかでもレクサスが、ほかの国産車メーカーとの違いを浮き彫りにしているモデルがラグジュアリークーペのLC、そして4人乗りオープンカーのLCコンバーチブルの存在だ。

 クーペやコンバーチブルというのは実用車メーカーでは必要ないが、レクサスのようなプレミアムブランドでは欠かせない存在。ドイツ御三家でもラインアップされ、非日常を演出してくれる貴重な存在なのだ。

 ラグジュアリークーペのLCは2017年3月に登場。フラッグシップセダンLSにも採用されているプラットフォームをはじめ、ハイブリッドシステムなど最先端技術を導入したモデルだ。

 搭載するパワートレインはLC500には5L、V8エンジン+10速ATそしてLC500hには3.5L、V6エンジンとモーターを組み合わせたマルチステージハイブリッドシステムを搭載。

 トランスミッションには10速ATにより、ダイナミックな走りを演出してくれる。現在、LCの中古車の流通台数は約138台、3カ月前の2021年1月時点では約110台だったので増加傾向となっている。

 中古車の平均価格の推移は3カ月前が約1025万円で今月は約1008万円と流通台数の増加に伴い、値落ち傾向となっている。中古車の価格帯は約819万〜約1720万円で高い残価率を誇っている。

 最も流通台数が多いグレードはガソリン車の500 Sパッケージで、ハイブリッド車では500h Lパッケージが中心だ。

 中古車ではガソリン車とハイブリッド車の価格差が縮まっており、ハイブリッド車にお得感が高い。LCは販売開始以降、2018年4月に販売した「ストラクチュラルブルー」をはじめ、ボディカラーにこだわった特別仕様車を設定している。こうしたLCの特別仕様車は流通台数が少なく、高値安定傾向が続いている。

 一方、2020年6月に販売開始したLCコンバーチブルはルーフに約15秒で開閉可能なソフトトップを採用。搭載するパワートレインは5L、V8エンジン+10速ATのみとなっている。

 中古車の流通台数はまだ3台と非常に少なく、平均価格も約1673万円で横這いとなっている。コンバーチブルはまだクーペのような選択肢の幅も少なく、中古車相場も高水準をキープしている。

2020年6月27日に発売されたLCコンバーチブル。5L、V型8気筒のNAエンジンが477ps/55.1kgmを発生する。電動ソフトトップの開閉時間は、開 : 15秒、閉 : 16秒。価格は1500万円
限定60台で販売された特別仕様車「LC500 コンバーチブル“Structural Blue”」。価格は1650万円。限定60台のうち40台はオーナー向けの先行商談、20台を一般向けの抽選発売分としたがすでに完売してしまった

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