「25年ルール」。それは、製造から25年が経過した車両はFMVSS(アメリカの連邦自動車安全基準)の縛りを受けることなく、アメリカに中古車として自由に輸入できるようになるという、アメリカ国内のルールだ。
2014年にその25年ルールがR32日産 スカイラインGT-Rに適用されたことで、R32GT-Rの中古車相場が爆上がりしてしまったのは記憶に新しいところだろう。
そして2020年にはR33世代のスカイラインGT-R(BCNR33)の初期年式にも25年ルールが適用され、アメリカ側から見て自由に輸入し、そして登録できるようになってしまった。
これによりR33GT-Rの国内相場も、R32GT-Rの時のように爆騰しているのだろうか? さまざまな角度からチェックしてみたい。
文/伊達軍曹 写真/NISSAN、 ベストカー編集部
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■R33型スカイラインGT-Rは1995年に登場!
だがその前に、日産のR33スカイラインGT-Rというクルマについての簡単なおさらいもしておこう。
第2世代GT-Rとしては2代目にあたるBCNR33が発売されたのは、1995年1月のこと。ボディサイズはR32GT-Rより130mm長く、全幅は25mmワイドになったが、この大型化したボディでより速く走るため、R32GT-Rの時以上にニュルブルクリンクでのテストドライブが重視された。
搭載エンジンはR32GT-Rと同じRB26DETTだが、ボディの大型化と補強により30kg増加した車両重量に対応させるため、ECUの16ビット化や過給圧の上昇、バルブタイミングや吸排気系、圧縮比、フリクションロスの見直しなどを実施。
最高出力こそ自主規制値いっぱいの280psだが、最大トルクはR32世代より1.5kgm増しの37.5kgmとなった。
定番として用意されたグレードは「標準車」と「Vスペック」「Vスペック N1」の3種類。標準車でもブレンボの大径ブレーキを標準装備したが、Vスペックはそれに加えてリアにアクティブLSDを組み込み、専用セッティングのATTESA E-TS PROも採用。 Vスペック N1は、N1耐久レース参戦用のベースモデルだ。
1996年2月には、それまで運転席のみの標準装備だったエアバッグが助手席にも標準装備され、「マーチと同じデザインじゃないか!」ということで不評だったステアリングホイールのデザインも変更。同時にインパネのデザインと材質も変更されている。
同年5月にはル・マン24時間レース参戦記念車の「LMリミテッド」が期間限定で発売され、翌1997年2月にはマイナーチェンジを実施。ヘッドライトをプロジェクタータイプのキセノン方式にすると同時にフロントスポイラーを大型化し、下端を20mm延長。
また全車のフロントバンパーがN1ベース仕様と同じデザインに変更された。
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