■中古車相場は約380万~1700万円 で、R34型よりもずいぶん安い
で、本題であるR33GT-Rの中古車相場についてだが、2021年5月半ば現在の中古車流通量は全国で約40台。これは、前身であるR32GT-Rや後継のR34GT-Rより若干少ないが、「だいたい同じぐらい」とはいえる数だ。
そしてR33GT-Rのモデル全体の中古車相場は約380万~約1700万円で、平均価格は約560万円。この数字はR32GT-Rのそれとはおおむね同様だが、R34GT-Rと比べると「ずいぶん安い」ということになる。
ちなみにR34GT-Rの前述日時点での中古車相場は約1300万~約3600万円で、平均価格は約1800万円だ。高い……。
で、最初期の1995年式R33GT-Rに対しては2020年から「25年ルール」が適用され、1996年式についても今年から同ルールが適用されはじめたことで、R33GT-Rの国内相場は果たして爆上がりしてしまったのだろうか?
……結論から申し上げると、「そうでもない」ということになる。
下記が――あくまでもおおむねの数字ではあるが――過去3年間のR33GT-Rの中古車相場だ。
●2019年5月|約250万~約550万円
●2020年5月|約250万~約800万円
●2021年5月|約380万~約1700万円
この数字だけを見ると、2020年から今年(2021年)にかけて相場の下限も上限も大幅に上がっているということになるわけで、確かにそれはそのとおりである。
だが、走行距離が極端に短い「ごく少数のお宝物件」を除外したうえで、あらためて直近2021年5月の相場を見ると、実際は下記のとおりとなる。
●2021年5月|約380万~約800万円
つまり、2020年の同月と比べて下限価格は確かに上がっているが、上限付近の価格はあまり変わっていない――とも言えるのだ。
■良質な個体は25年ルール適用前にすでに囲い込まれていた可能性も
25年ルールが適用されたのに、ごく少数の超低走行物件以外の価格がさほど爆上がりしなかった理由は、「すでに織り込み済みだったから」ということだ。
すなわち、2020年からの25年ルール適用を見越して、2019年頃にはすでにめぼしい個体は買い漁られ、どこかの倉庫などで「アメリカへの出港」を待っていた――と考えられるのだ。また同時に、北米でのR33GT-Rの人気が「もちろん高いが、R34GT-Rほど極端に高いわけではない」という理由もあるだろう。
いずれにせよ現在のR33GT-Rの国内相場は――もちろん高いは高いが(2008年頃には、走行3万kmの1998年式が300万円以下で買えましたからね……)、一部の個体を除けば「まったく手が届かないほど高くなってしまった」という状況ではない。
そのため600万円台ほどの予算で、極力コンディションのいいフルノーマル車(またはノーマルに近い個体)を探してみるのは、純粋に乗って楽しむためにも、そしてある意味「投資」として考えても、悪くないアクションだと思われる。
ただ、「外見はバリッとしてるが中身はボロボロ」みたいな中古車をつかんでしまっては、乗って楽しむも投資もへったくれもなくない。
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