■「コルト ラリーアート バージョンR」の中古車相場
まずは本丸であるコルト ラリーアート バージョンR。2021年5月下旬現在、大手中古車情報サイトに掲載されている中古車の数は全部で77台。その約65%に上る50台が5MT車であり、CVT車は27台にとどまっている。
全体の中古車価格は約30万~約160万円と上下に幅広いが、あまりにも過走行ではない「程よいスペック」の個体は、おおむね50万~90万円といったところ。
この種の「ちょっと古くてマニアックなスポーツモデル(特にMT車)」の相場は全般的に高騰している昨今だが、コルト ラリーアート バージョンRにおいては今のところ「若干の値上がり」で済んでいるようだ。
グレードは、バージョンRのなかではベースモデルにあたる「バージョンR」がやはり最多で、全77台のうち72台がコレである(で、そのうち47台が5MT)。
2007年5月に設定された特別仕様車「バージョンR レカロ エディション」は、その車名どおりバージョンRにレカロ製バケットシートとUV&ヒートプロテクトガラス+撥水フロントドアガラスを標準装備したものだが、こちらは希少で4台しか流通していない。
そしてバージョンRのボディをさらに強化し、ラリーアート製スポーツマフラーとレカロ製フルバケットシートなどを装備した特別仕様車「バージョンR スペシャル」はさらに希少で、調査日時点では全国で1台の流通しか確認できなかった。
さすがにバージョンRスペシャルの上モノが市場に出てくれば高値が付くとは思うが、基本的にはグレードの違いによる価格差はほぼ見られない。「コンディションの良し悪し=価格の高低」という、古い年式のクルマに典型的なプライス状況になっているようだ。
■「コルト ラリーアート」の中古車相場
どうせなら伝説の古典的ホットハッチであるラリーアート バージョンRを選びたいところではあるが、今や立派な中高年になった筆者のような年齢からすると、もしかしたら、もう少しマイルドなターボエンジン+CVTである「バージョンRではないコルト ラリーアート」でもいいのかもしれない……。
ということでそちらの相場状況を調べてみると、バージョンRではないほうのコルト ラリーアートの中古車は、そもそもかなり希少であることがわかった。
具体的には、バージョンRは前述のとおり80台近くが流通しているが、ただのラリーアートのほうは全国で5台のみ。価格も約10万~約40万円という激安っぷりであったのだ。
やはり、あえてこの種の、そしてこういった年式のクルマに乗ろうというのであれば、中途半端な何かではなく「超エッジの利いてる何か」に乗りたいと思うのが人情というもの。それゆえ、素のラリーアートのほうはいささかの人気薄車となっているのだろう。
■「コルト プラス ラリーアート」の中古車相場
ちなみに三菱 コルトには、そのリアオーバーハングを300mm延長させてコンパクトワゴンタイプとした「コルト プラス」というシリーズもあり、そちらにも 、さすがに「バージョンR」はないが 、インタークーラー付き4G15型1.5Lターボエンジンを搭載した「コルト プラス ラリーアート」は存在した。
で、プラスのほうのラリーアートはどうなっているかというと、こちらもやはり希少。コルトプラス全体の中古車流通量が前述日現在で約60台であるのに対し、コルト プラス ラリーアートの中古車流通量は「6台」でしかない。
相場は約20万~約60万円といったところで、走行距離が比較的短い個体が中心であるため、「大穴」としては悪くない選択肢かもしれない。
だがまぁ狙うべきは「コルト ラリーアート バージョンR」だろう。
洗練されすぎたスポーティハッチバックばかりとなった昨今、「ゴリゴリ」という言葉が似合うエンジンフィールと乗り味、そしてビジュアルが渾然一体となったバージョンRの魅力というか個性は、逆に増しているように思える。
幸いにして中古車相場の大高騰はまだ起きていない模様ゆえ、気になる人は今のうちからめぼしい個体をチェックし、いわゆる唾を付けておくことをお薦めしたい。
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