■レビンとトレノ、GTVかGT-APEXのどちらが人気?
――ううむ、まぁそうですよね。私が500万円+αを払えるかどうかは別として、話はよくわかります。ちなみにグレード的には、最近はどれが人気なんでしょうか? やはり最上級グレードだったGT-APEXですかね?
鎌田社長―まず、そもそもレビンとトレノでいうと、トレノのほうが圧倒的に人気が高いですね。一番人気はトレノの前期型で、レビンと比べると50万円から100万円ほど高くなります。
――なるほど。そして個別のグレードで人気が高いのは?
鎌田社長―基本的には「人それぞれの好みによる」ということになりますが、スパルタンな仕様だった「GTV」はサーキットなどでやっつけられちゃって(笑)、今はあまり残ってません。
現存している個体の多くは、パワステなどの快適装備が付いていた最上級グレード「GT-APEX」です。GT-APEXは比較的おとなしく乗られていた場合も多いので、今でもけっこう残ってるんですよ。
■AE111型の4A-GE型5バルブエンジンに載せ替えたほうがいい?
――では例えば総額500万円ぐらいでトレノのGT-APEXを買った場合、ハチロクというクルマはやっぱり「チューニング」もしたくなるわけですが、定番のエンジンスワップ「4バルブヘッドの4A-GEから、5バルブヘッドの4A-GE(AE111型)に載せ替える」っていうのは、やっぱりやったほうがいいのでしょうか?
鎌田社長―そこも好みの問題だと思いますが、5バルブヘッドは「ぜんぜん違う」というのは確かです。純正の4バルブエンジンの最高出力は、メーカーはグロス130psといってましたが、今実際に測ると90psぐらいしかありません。
というか、90psあればいいほうです。それに対して5バルブは、ノーマルコンピュータをそのまま移植しても160ps弱は出ますからね。弊社の場合はMoTeCなどのコンピュータを付けますが、そうすると180psは普通に出ます。それを踏まえたうえで「どちらをお選びになりますか?」という話になりますね。
――ううむ。AE86を買うついでに5バルブエンジンに換装してもらうとしたら、いくらぐらいかかるのですか?
鎌田社長―最低でも200万円はプラスでかかりますね。
――いいエンジンだけど、やっぱりカネはかかると……。
鎌田社長―そもそも5バルブのエンジン本体が最近はなかなか見つからないのですが、買うとすると、オーバーホールを前提とした「ベースエンジン」でも20万円ぐらいします。
そこからオーバーホールを行うわけですが、オーバーサイズのピストンを入れたり、もはやない部品をなんとかしたりして、分解整備して積み替えるだけでも100万円ぐらいは普通にかかります。
――ですよね。そこはわかります。
鎌田社長―で、5バルブエンジンは油温と水温がすごく上がるんですよ。そのためラジエターもしっかり仕上げなきゃいけませんし、燃料ポンプも少し強いものに替えてあげたほうがいい。
あとはオイルクーラーも付けてあげたほうがいいですね。そういったことやらないと、5バルブエンジンはオーバーヒート気味になっちゃうんですよ。で、そういった周辺作業も加えていくと、とすぐに150万円とか200万円になるんです。
――たしかに、なりますね……。
鎌田社長―もちろん5バルブへのエンジンスワップは「絶対にやらなければいけない」という作業ではありませんので、4バルブのままお乗りになるのも決して悪くはないと思いますが。
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