新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な半導体不足。さらにロックダウンによるサプライヤー工場の生産停止などによって、国産車、輸入車問わず新車の納車が長期化している。
新型のトヨタランドクルーザーは、一時期公式ホームページで納車まで4年と掲載され話題となった。それほど長期となる車種は稀だが、人気車を多く抱えるトヨタではほとんどの車種の納期が半年以上と言われている。
そんな納車が長期化する新車を横目に、人気車の登録済未使用中古車が多く流通しているという現実もあるのだ。ここでは人気が高く新車の納期が長期化している人気モデルのなかから5車種を選び、その登録済未使用中古車の流通台数や中古車相場について紹介する。
文/萩原文博
写真/ベストカーweb編集部、トヨタ、日産、ホンダ
■モデルチェンジ直後のトヨタ ノア/ヴォクシーも
登録済未使用中古車というのは、一度登録した走行距離の少ない高年式の中古車を指す。コンディションは新車と同等と言えるが、一度登録しているので中古車に区分される。
このようなクルマが発生する要因は、個人が購入し手放すパターンや中古車販売店がオーダーするパターンが多い。人気の度合いによって新車価格を上回るプレミアム価格となるケースが多いが、有償色となる人気のボディカラーであったり、各モデルで人気の高いオプション装備を装着しているからだ。
もちろんさらに販売店のマージンが上乗せされるので、新車の乗り出し価格より高くはなるが、納車までの期間が長くても1カ月程度という大きなメリットもある。
今回の登録済未使用中古車の条件として年式は2021年~2022年式、走行距離は500km以下と設定している。
今回紹介する車種は、2022年1月に販売開始したトヨタノア/ヴォクシー、2021年11月に追加されたライズハイブリッド。2021年9月に登場したカローラクロス。そして国産SUVの中で圧倒的な人気を誇るハリアーの5車種だ。
まずはトヨタノア/ヴォクシーから。2022年1月から販売開始された現行型ノア/ヴォクシーは、クルマの骨格にあたるプラットフォームにTNGA・GA-Cプラットフォームを採用し、全車3ナンバーサイズとなった。
7人乗り仕様車のセカンドシートには、キャプテンシートを採用。クラス初となるオットマン機構とシートヒーターに加え、折りたたみ式大型サイドテーブルなどを装備。
また、8人乗り仕様車のセカンドシートには、3人掛けベンチシートタイプの6:4分割チップアップシートを採用し、2列目シートは両車ともにロングスライドを実現している。
搭載するパワートレインは、1.8Lエンジン+モーターを組み合わせた新世代ハイブリッドシステムと2L直列4気筒ダイナミックフォース柄人+CVTの2種類。駆動方式はガソリン車だけでなく、ハイブリッド車でも4WDを選べるようになったのが特徴。
運転支援システムは従来モデルと比べて大幅に進化している。最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」をはじめ、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の新機能「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」、「アドバンストパーク(リモート機能付)を設定している。
グレード体系はノアが標準モデルとエアログレード、ヴォクシーはエアログレードのみを用意し、新車価格は267万~396万円となっている。
現在、現行型ノアの登録済未使用中古車は約143台流通していて、価格帯は約264.9万~約438.8万円。グレードは圧倒的にエアロ系が多く最も多いのが2.0S-Zの約68台。次いで2.0S-Gの約49台。そして2.0Xの約11台とガソリン車が多い。
最多グレードの2.0S-Zの中古車の価格帯は約311万~約435万円。2.0S-Gは304万~395万円。2.0Xは約264.9万~307万円となっている。エアロ系は新車の乗り出し価格を上回るクルマもあるが、オプション装備や諸費用を考えるとメチャクチャ高いというわけではないようだ。
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