中古車業者が教える中古車を高く売るための3つの秘訣

売るタイミングはなるべく早く

 クルマを少しでも高く売りたいなら、売却前のリサーチと準備は欠かせません。自分のクルマがどのくらいの価格で売却されているのかを調べてみることが最初の第一歩です。

 実は新型コロナで生活環境が一変するまでは一日で数千円、一ヵ月で数万円値下がりすることもあったそうですが、最近では事情がちょっと変わっているようです。

「中古車はナマモノなので、これまでは日を追うごとに価格が落ちていきました。ところが新型コロナ以降はそうともいえなくなりました。円安で海外での中古車人気に火が付き、品薄状態ですから価格が下がりにくくなっています。車種によっては上がっているものもあります。もちろん一時的なことだとは思います」

 クルマの査定額は年式、走行距離などによって大きく変わります。最初にその相場を調べておけば、交渉するための目安にもなります。

 ネット検索を使えば自分の車の相場がどのくらいであるのか大体わかるが、年式、走行距離、グレード、次回の車検時期など細かな情報が必要ですから、事前にチェックしておいたほうがいいでしょう。

「そしてまず第一に覚えておかなければならないことはクルマは走行距離が長く、年式が古くなるほど、査定価格が安くなる傾向があります。しかもある程度切りのいい数字のところで価格が落ちてしまうんです。走行距離なら3万km、5万km、年式では車検の時期が一つの目安です」(同)

 さらにモデルチェンジが発表されたあとは、現行のモデルの売値が下がる傾向があるため、少しでも早い時期の売却した方がいいようです。

 ただ中古車は年度末の2月、3月と秋口の9月はクルマの需要が大きく伸び、買取価格も上昇するようです。

「2月、3月と9月の取り扱い高は他の月に比べて圧倒的に多くなります。2月、3月というのは会社に就職したり大学生になったりし、年度初めの4月から生活が大きく変わる人が多いので、それに合わせてクルマを購入する人が増えるのではないかと思いますし、8月のボーナス後にクルマを買い替えることを検討する人が増える傾向がありますから、9月の取扱量も増えます。こうした時期はディーラーもクルマの在庫を抱えておく必要がありますから、通常よりも高めに買取りを行います」

 買い替えを急いでないようであれば、2月、3月、9月を待ってみるのもよいかもしれません。

クルマを高く売るための交渉術

 クルマを高く売りたいならスタッフとのコミュニケーションも重要です。しかしまずは複数の買取店で査定をしてもらうことが重要です。複数の店舗で査定してもらえれば相場というものがよくわかるからです。

 査定をしてくれる査定士も同じ人間です。誠実なやり取りをすればサービスしてもらえる可能性があります。

 しかし一方でいい人ばかりとは限りません。

「査定の際に『いつもはこんなに高く買い取りしないんですが、今は特別●●円で買取します』というセールストークには要注意です。相場がわからない中で提示された価格が適切であるかどうかは判断できないからです。しっかりと相場を踏まえて交渉することが大切です」

いまはオークション相場で買い取り査定額はある程度の業界基準があるが、それでも日取りや相場状況、モノ、査定担当者、在庫状況によって数万円動くことはある
いまはオークション相場で買い取り査定額はある程度の業界基準があるが、それでも日取りや相場状況、モノ、査定担当者、在庫状況によって数万円動くことはある

「キズやへこみは無理に直すべきなのか」

 ではどのような状態でクルマを売却すればいいのでしょうか。

「ディーラーの印象をよくするためには、洗車や車内洗浄をしてから査定を受けたほうがいいでしょう。査定に大きな影響はないと思いますが、たばこ嫌いのユーザーは多いので、たばこの匂いも消臭したうえで査定に出したほうがディーラーの心証はいいようです」

 クルマのオーナーは自分好みのクルマにしたいという思いから社外パーツを使ってカスタム仕様にすることがありますが、売却する時には純正のパーツに戻したほうがいいようです。

「スポーツカーをスポーツ専門店で売却するような場合は、カスタマイズを高く評価してくれるようなところもありますが、ディーラーはなるべく純正のパーツであることを好みます。中古車としてこのクルマを購入する人たちがそのオーナーの趣向にあっているとはかぎらないからです。カスタマイズされたパーツは純正パーツに戻したほうがいいと思います」

 ただ、人気ブランドのパーツや新しく高性能なオーディオ、ナビであれば査定がプラスされる可能性はあります。

 ここでもっとも気になるのがクルマのボディーについた小さなキズやへこみです。自分で直したほうがいいのか、直さないほうがいいのか、あるいは修理に出したほうがいいのか、迷ってしまいますよね。

「下手に直すんだったら直さないほうがいいと思います。タッチペンは論外です。ちゃんと直すんだったら直したほうがいいですが、修理の費用以上に買取価格があがることはありません。ただコンパウンドや消しゴムなどで消せる程度のものであればやっても構わないと思います」

 勝手に直したことが原因で査定額が下がるケースもあるので、中途半端にキズを隠すのではなく素直にさらけ出したほうが査定には好印象だと理解したほうがいいようです。

 そしてもう一つ気になるのが車検です。クルマは2年に1度車検を受けることが義務付けられてます。新車を購入してから3年目に最初の車検がやってきて、さらに2年後に2度目の車検がやってきます。車検には10万円ぐらいかかりますが、車検後であっても査定には大きく上乗せされることはありません。車検ギリギリで売却されるのであれば車検を通さずに売却したほうがいいでしょう。

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