新車の納車長期化などを受けて、タマ不足や相場高騰などが話題となった中古車市場。はたしてその実態はどうだったのか。リクルート自動車総研が行った「中古車購入実態調査2022」の結果をもとに売れ行きや1台あたり単価の動きをレポートしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/Adobestock(トビラ写真=xiaosan@Adobestock)
■20歳代の25%が2年未満で中古車を買い換えた!
まずは2022年の中古車市場規模だが、4兆円を超えた2021年に比べて約6100億円減少し、3兆5578億円となった。新車の納期が延びたことで新車販売が滞り、中古車市場に流れてくる下取り車の台数が減ったことが主な原因と思われる。
商品供給が絞られれば価格が上がるのは当然というわけで、1台あたりの中古車購入単価の平均を見てみると前年より1.6万円増加し、156.6万円となった。ただし値上がりはコロナ禍に見舞われた時期特有の動きではなく、ここ数年ずっと続いている傾向だ。過去8年間で見てみると、中古車の購入単価は39.3万円高くなっている。
どんな価格帯の中古車が売れたのかを見てみると、支払総額「50万~100万円未満」が20.9%でもっとも高かった。とはいえ伸び率でみてみると150万円以下の安価な中古車の割合は減少傾向にあり、2022年は「200万~250万円未満」の中古車の割合が増加した。「納得のいくいいもの」「人気車種」を求める傾向が強まっていると考えられる。
なお支払総額を年代別で見てみると、30歳代が174.2万円でもっとも高く、次いで20歳代の165万円が続いた。
どのくらいの年式が人気なのかを調べてみると、「4年~5年落ち以内」を選んだ人が17.2%を占め、次いで「2年~3年落ち以内」(15.2%)と「10年~14年落ち」(15.0%)がほぼ並ぶこととなった。10年落ち超の中古車は値ごろ感が増すため、そこを狙う層が一定数いるといえそうだ。
中古車を乗り継いだ人に、「前回購入したクルマに何年乗ったか」を調べたところ、平均乗車期間は6.3年だった。乗用車の平均寿命13.87年(2021年/自動車検査登録情報協会調べ)と重ねてみると、その半分の期間を中古車として過ごすクルマが多いようだ。
とはいえ平均乗車期間は年代が若いほど短い傾向があり、20歳代では24.9%が2年未満、28.2%は4年未満で次のクルマに買い換えている。年齢が高くなるほど乗車期間は伸び、40歳代になると28.5%、50歳代では32.3%が10年以上前のクルマに乗り続けるという実情が分かった。自分の胸に手を当ててみても分かるような気がする。
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