【シビックタイプRら登場】中古で狙おうニッポンの名機たち 〜VTEC編〜

 EVやFCVの技術が確立し、今後はますますそれらの存在が大きくなりそうだ。

 しかしニッポンには数々の「名機」とよばれるエンジンがある。まだまだ乗れるニッポンの「名機」にベストカーWEBでは触れていきます。

 第2弾の今回はホンダのほこる官能エンジン、VTECの名機たちに迫る!! 文:

WEB編集部/写真:ホンダ


初めて官能エンジン「VTEC」を味わうにはこのクルマ

 ホンダの名機に採用される技術といえば「VTEC」だろう。VTECは可変バルブタイミング機構なのだが、1989年のインテグラに搭載されたB16Aを皮切りに、現在でもこのVTEC技術は進化して採用され続けている。

 単なる可変バルブタイミング機構であれば、現代では常識的な技術であり、ここまでファンが多いエンジンにはならなかっただろう。

 VTECの凄さはその「官能性」にもある。バルブが切り替わる際の得も言われぬ「快感」、そして高回転まで一気に回る「快音」がある。

 まるで自分がレーシングドライバーになったかのような高揚感が襲ってくるのがVTECの特徴だった。

 とりたてスポーツモデルに搭載されたVTECは、超高回転型NAが標準であり、インテグラ、シビック、NSXなどそうそうたるモデルに搭載されていた。

 そんなVTECを初めて味わうには……、これは担当も三日三晩悩んだがFD2のシビックタイプRを薦めたい。

 これは維持費の安さや、実用性の高さをメインにとったもの。FD2のシビックタイプRといえば、現段階では最後のNA高回転VTECを搭載するシビックタイプRだ。

 登場時にはハッチバックだった歴代のシビックとは異なるセダンボディを採用したことで批判もあったが、その実力は搭載されるK20A R-spec VTECエンジンのスペックを見れば一目瞭然。

  同じK20Aを採用するインテグラタイプR(DC5)などよりも5ps高い225psの出力は、排気系統や圧縮比などの見直しによるもの。

 うなぎ屋の秘伝のタレのごとく、代々のVTECテクノロジーを煮詰めて完成したハイパースペックのVTECエンジンなのだ。

 それでいてセダンだから実用性は抜群。大きな羽根さえ目をつぶれば冠婚葬祭だってなんのその(ホンダアクセスから小さなスポイラーも販売されていた)。

 唯一の懸念はそのスパルタンすぎる足回り。「タイプRはサーキットスペックであるべし」というアツいホンダファンも閉口するほどのガチガチな足回り、そしてグリップ性能のみを追求した専用タイヤのブリヂストンRE070。

 単なる「羽根のついたセダン」と思って安心していた奥さまを激怒させたホンダファンは数知れず。担当も試乗したことがあるが、一般道ではもはや「修行」に近いものがあった。

 きっと社内の反対派を押し切ってタイプRらしさを貫いたであろう、ホンダ開発陣は凄いと感動したものだ。

 とはいっても、マイルドな足回りがホンダアクセスのモデューロや、アフターパーツメーカーからも多くラインアップされているからご安心を。ご家族がいる場合は交換するのもありだ。  

【FD2 シビックタイプR】狙い目:走行距離7万km以内価格帯:200-250万円前後 中古車情報はこちらから

普通のセダンに見えるがその心臓部はまさにレーシング。このギャップもいい
K20A R-specは200psを発揮する名機だ。この心臓とFD2セダンの高剛性ボディから得られる走りは刺激的。足回りの固さは”凄い”

VTECは1.8Lも抜群にいいぞ

 VTECというとどうしても先述のK20Aが「速さ」という面では取りざたされる。これ以上のNAのVTECエンジンが登場する可能性が低いだけに、今後も維持をしていくのなら絶対的にオススメしたいのは間違いない。

 しかーし!! VTECの「官能性」をたんまりと味わうにはK20A R-specは「いい子」すぎる。

 そこで登場するのがインテグラタイプR(DC2)に搭載されたB18C Spec-R。このエンジンはとってもやんちゃだ。

 なんせ1.8LのNAエンジンながら200psを誇り、リッターあたり約111psというエンジン。スペックを聞くだけでもゾワゾワしてしまうのも間違いない。

 軽量なマシンにパワフルなエンジンユニット。このクルマは多くのジャーナリストはもとより、多くのレーシングドライバーも唸らせたモデルだ。

 そしてNSXのみに採用されていた「タイプR」を庶民に届けてくれたのもこのDC2のタイプRでもある。

 8000回転まで淀みなく回っていくタコメーターを見ていると、もはやエンジンというよりもモーターのような印象さえ受ける。この高回転域での感動はK20Aよりも上!!

 なんせポート研磨はホンダ鈴鹿製作所の職人が手作業で一機ずつ行っていたというから、ホンダの力の入れようは並大抵のものではない。レアなセダンボディもあるが、他の人と差を付けたい場合は頑張って探したい。

  ここで懸念事項を挙げるとすればその年式である。初期型では22年の時が経っているだけに、世の中古車には経年劣化した部品なども多く含まれいる。これを交換するにもなかなか部品の確保が難しい場合も。

 とはいえ、機関系はアフターパーツも多くあるから、走ることに困ることはない。クラシックカーになるまえに、DC2を味わうのがベストだ。

 タイプRをガレージに飾っておくだけなんて、バースデーケーキを翌年の誕生日までとっておくのと変わらないのだ。

  【DC2 インテグラタイプR】狙い目:走行距離10万km以内(距離は気にせずリフレッシュ費用を確保すべし)価格帯:100-150万円前後 中古車情報はこちらから

珍しい4ドアセダンのインテR(DB8)。コンパクトさも際だつ
元祖VTECエンジンともいえるのがB18C Spec-R。全国のショップにはリフレッシュプランも多くあるから新車の乗り味を楽しめる

ボディもエンジンも専用設計、希代の名車はコイツだ!!

 これまで語ってきたK20A R-specも、B18C Spec-Rもメーカーによるチューニングエンジンだ。

 ベースとなるK20AやB18Cというエンジンがあり、ホンダが極限までそれらの性能を研ぎ澄ませたのが前述のエンジンたち。

 市販車のエンジンを使うことでコストは抑えられ、比較的安価にスポーツエンジンを楽しむことができたってわけ。

 しかしVTECエンジンには特定の車種にしか搭載されなかった専用エンジンが存在する。それが初代NSXに搭載されたC30A/C32Bと、S2000に搭載されたF20C/F22Cである。

 NSXは解説するまでもなくホンダが誇ったフラッグシップスポーツだ。新型が登場した今日でも価格帯はかなり高く、後期型のタイプRにいたっては2000万円近いプライスタグがついている。

 今回は「中古で狙おう」がテーマだからNSXは割愛したい。そうなるともうひとつの専用ユニット、F20C/F22Cを搭載するのがS2000だ。

 タイプRの登場以降、FFのイメージが強いホンダスポーツだが、このS2000は2シーターオープンのFRだ。 ボディもエンジンもあらゆるパーツが専用設計。

 「ホンダS」を名乗るには充分すぎるほどのスペックを備える。エンジンは前期型(AP1)が2L、後期型(AP2)が2.2Lになるが、オススメは断然2LのF20Cを積む前期型のAP1。

 F20Cは2Lで250psを発揮する名機。最大トルクは7500rpmで発揮されるなど超高回転型で、街乗りは低速トルクがなく疲れるなんてネガもあるが、そんなことはこの名機を前にして大した問題ではない。

 トランスミッションもホンダがこだわりぬいたもので、スコスコと入るショートストロークのシフトはVTECもあいまって気持ちがいい(機械的なサウンドにビックリするけれど)。

 乗り味だって一般道でも快適だ。懸念事項としては前期型でも最初期型は挙動がピーキーといわれる点。

 当然街中でいきなりリアがブレイクしてスピンするなんてことはないが、サーキットを走りたい人は要注意。プロドライバーでも「腕を試される」というほどに鋭い切れ味だ。

 まっ、ここらへんは対策パーツもあるし、リアスタビライザーなどで改善されている前期型の後期(AP1-130などと呼ばれる)を選ぶのもありだから心配は不要。  

 幌がガラス窓になったりと細かな改良が繰り返されているのもS2000だが、互換性が有るパーツ、そして社外品のパーツも豊富だ。

 極端に年式にこだわりがある場合を除き、リフレッシュしつつパーツ交換を楽しむ乗り方もありだ。価格は一般的な中古車よりは当然ながら高値で安定している。

 しかし新型タイプRでは「VTEC+ターボ」が方程式になっている以上、このようなNAの超高回転型スポーツユニットが新たに専用設計される望みは薄い。そうすると、買うならいましかない!?

  【AP1 S2000】狙い目:走行距離10万km以内価格帯:200-250前後 中古車情報はこちらから

S2000はソフトトップのみがラインアップ。
フロアで剛性を稼いでおり、ガッチリしたボディだ
専用エンジンF20C。レーシングエンジンさながらのスペックながら、
搭載されたのはS2000のみの特別なエンジンだ

最新号

ベストカー最新号

【スクープ!】新型ランクルプラド&ランクル300に新情報|ベストカー12月26日号

ベストカーの最新刊が本日発売!最新号では、ランドクルーザープラドとランドクルーザー300の最新情報をお届け。

カタログ