【シビックタイプRら登場】中古で狙おうニッポンの名機たち 〜VTEC編〜

VTECは1.8Lも抜群にいいぞ

 VTECというとどうしても先述のK20Aが「速さ」という面では取りざたされる。これ以上のNAのVTECエンジンが登場する可能性が低いだけに、今後も維持をしていくのなら絶対的にオススメしたいのは間違いない。

 しかーし!! VTECの「官能性」をたんまりと味わうにはK20A R-specは「いい子」すぎる。

 そこで登場するのがインテグラタイプR(DC2)に搭載されたB18C Spec-R。このエンジンはとってもやんちゃだ。

 なんせ1.8LのNAエンジンながら200psを誇り、リッターあたり約111psというエンジン。スペックを聞くだけでもゾワゾワしてしまうのも間違いない。

 軽量なマシンにパワフルなエンジンユニット。このクルマは多くのジャーナリストはもとより、多くのレーシングドライバーも唸らせたモデルだ。

 そしてNSXのみに採用されていた「タイプR」を庶民に届けてくれたのもこのDC2のタイプRでもある。

 8000回転まで淀みなく回っていくタコメーターを見ていると、もはやエンジンというよりもモーターのような印象さえ受ける。この高回転域での感動はK20Aよりも上!!

 なんせポート研磨はホンダ鈴鹿製作所の職人が手作業で一機ずつ行っていたというから、ホンダの力の入れようは並大抵のものではない。レアなセダンボディもあるが、他の人と差を付けたい場合は頑張って探したい。

  ここで懸念事項を挙げるとすればその年式である。初期型では22年の時が経っているだけに、世の中古車には経年劣化した部品なども多く含まれいる。これを交換するにもなかなか部品の確保が難しい場合も。

 とはいえ、機関系はアフターパーツも多くあるから、走ることに困ることはない。クラシックカーになるまえに、DC2を味わうのがベストだ。

 タイプRをガレージに飾っておくだけなんて、バースデーケーキを翌年の誕生日までとっておくのと変わらないのだ。

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珍しい4ドアセダンのインテR(DB8)。コンパクトさも際だつ
珍しい4ドアセダンのインテR(DB8)。コンパクトさも際だつ
元祖VTECエンジンともいえるのがB18C Spec-R。全国のショップにはリフレッシュプランも多くあるから新車の乗り味を楽しめる
元祖VTECエンジンともいえるのがB18C Spec-R。全国のショップにはリフレッシュプランも多くあるから新車の乗り味を楽しめる

ボディもエンジンも専用設計、希代の名車はコイツだ!!

 これまで語ってきたK20A R-specも、B18C Spec-Rもメーカーによるチューニングエンジンだ。

 ベースとなるK20AやB18Cというエンジンがあり、ホンダが極限までそれらの性能を研ぎ澄ませたのが前述のエンジンたち。

 市販車のエンジンを使うことでコストは抑えられ、比較的安価にスポーツエンジンを楽しむことができたってわけ。

 しかしVTECエンジンには特定の車種にしか搭載されなかった専用エンジンが存在する。それが初代NSXに搭載されたC30A/C32Bと、S2000に搭載されたF20C/F22Cである。

 NSXは解説するまでもなくホンダが誇ったフラッグシップスポーツだ。新型が登場した今日でも価格帯はかなり高く、後期型のタイプRにいたっては2000万円近いプライスタグがついている。

 今回は「中古で狙おう」がテーマだからNSXは割愛したい。そうなるともうひとつの専用ユニット、F20C/F22Cを搭載するのがS2000だ。

 タイプRの登場以降、FFのイメージが強いホンダスポーツだが、このS2000は2シーターオープンのFRだ。 ボディもエンジンもあらゆるパーツが専用設計。

 「ホンダS」を名乗るには充分すぎるほどのスペックを備える。エンジンは前期型(AP1)が2L、後期型(AP2)が2.2Lになるが、オススメは断然2LのF20Cを積む前期型のAP1。

 F20Cは2Lで250psを発揮する名機。最大トルクは7500rpmで発揮されるなど超高回転型で、街乗りは低速トルクがなく疲れるなんてネガもあるが、そんなことはこの名機を前にして大した問題ではない。

 トランスミッションもホンダがこだわりぬいたもので、スコスコと入るショートストロークのシフトはVTECもあいまって気持ちがいい(機械的なサウンドにビックリするけれど)。

 乗り味だって一般道でも快適だ。懸念事項としては前期型でも最初期型は挙動がピーキーといわれる点。

 当然街中でいきなりリアがブレイクしてスピンするなんてことはないが、サーキットを走りたい人は要注意。プロドライバーでも「腕を試される」というほどに鋭い切れ味だ。

 まっ、ここらへんは対策パーツもあるし、リアスタビライザーなどで改善されている前期型の後期(AP1-130などと呼ばれる)を選ぶのもありだから心配は不要。  

 幌がガラス窓になったりと細かな改良が繰り返されているのもS2000だが、互換性が有るパーツ、そして社外品のパーツも豊富だ。

 極端に年式にこだわりがある場合を除き、リフレッシュしつつパーツ交換を楽しむ乗り方もありだ。価格は一般的な中古車よりは当然ながら高値で安定している。

 しかし新型タイプRでは「VTEC+ターボ」が方程式になっている以上、このようなNAの超高回転型スポーツユニットが新たに専用設計される望みは薄い。そうすると、買うならいましかない!?

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S2000はソフトトップのみがラインアップ。<br>フロアで剛性を稼いでおり、ガッチリしたボディだ
S2000はソフトトップのみがラインアップ。
フロアで剛性を稼いでおり、ガッチリしたボディだ
専用エンジンF20C。レーシングエンジンさながらのスペックながら、<br>搭載されたのはS2000のみの特別なエンジンだ
専用エンジンF20C。レーシングエンジンさながらのスペックながら、
搭載されたのはS2000のみの特別なエンジンだ

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