昨年末12月25日にビッグマイナーチェンジが発表されていたアルファード/ヴェルファイアが、2018年1月8日より発売開始となった。
本企画では、その新型アルファード/ヴェルファイアをさっそく試乗。乗り心地や加速感などをチェックしつつ、変更点や(価格など)買い得感を比較検討してみたい。
ミニバン最高峰モデルのアルファード/ヴェルファイアは、「皇帝」と呼ぶべき実力なのか? 3000字オーバーの渾身インプレッションです。
文:ベストカー編集部
ベストカー2018年2月26日号
■馬力もトルクもアップして燃費も向上
今回新型に切り替わったアルファード/ヴェルファイア、なんといっても注目なのが3.5L、V6エンジン搭載モデル。
ダウンサイジングだの電動化だの言っている昨今の風潮にグサリとクサビを打ち込むかのように、「大排気量マルチシリンダーですが、なにか?」と従来型の280psから301psへと21psもパワーアップ。最大トルクも35.1kgmから36.8kgmへと厚くなっている。
とはいうものの、もちろん時代に逆行しているのではなく、伝達効率を高めた新開発8速ATを組み合わせるなどによりJC08モード燃費は従来型の9.5km/Lから10.8km/Lへと約10%向上しているのだからたいしたもの。
アルファード/ヴェルファイアというと、ついフロントマスクのさらなる迫力アップでオラオラ度は増したぜ、という印象に引っ張られるが、ちゃんとやることはやっているのでありました。
ちなみに2.5Lガソリンエンジン仕様やハイブリッドモデルについてはパワースペックなどの変更はなし。
■余裕たっぷりの動力性能
というわけで、さっそく乗ったのはパワートレーンが進化した3.5Lモデル。今回はメガウェブのライドワンコースというかぎられたシチュエーションではあったが、なになにチョイ乗り試乗でも充分にその進化の度合いを確認することができた。
301psに36.8kgmのトルクというと、グイグイ荒々しい動力性能……と思われるかもしれないが、このエンジン、スムーズな吹け上がりとリニアなトルク特性なので「怒濤の加速」というよりも上品なハイパワーという印象。
吹け上がりのシャープさが従来型よりも一段高まっており、特に4000rpmあたりからの伸びのよさが従来型との大きな差。
新開発8速ATの繋がり感もよく、ゼロスタートからアクセル全開で加速すると2100kgもの車重を感じさせないスムーズな加速が気持ちいい。シフトショックなどはもちろん皆無。アクセル操作に対する車体の反応が従来型よりもダイレクトになった印象で、微妙なアクセル操作で加速感を調節できる幅が広がった。
豪快な加速性能というのではなく、高品質な動力性能なのである。
今回の試乗コースではコーナリングなどハンドリング性能を云々することはできないけれど、車重を感じさせない操舵感は確認できた。
オドメーター9㎞という「おろしたて」の新車のためか、ちょっと足の動きにまろやかさが欠けていたけれど、乗り替えたハイブリッド(オドメーター120km)では段差通過時の足の動きもスムーズだった。
それにしてもアル/ヴェルは室内に乗り込むたびに豪華なシート、広い室内空間に圧倒される。インパネの質感も高く、装備の充実度も高い。
いやぁ、これで335万4480円のグレードからあるっていうんだから、これはなかなか「お買い得」なクルマだと再認識した。
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