現役インディカードライバー佐藤琢磨が、自ら開発に携わった新型NSXをインプレッション!!
琢磨のフィードバックで新型NSXのどこが変わったのか? 過去、実際にドライブした旧型NSXとどこが決定的に違うのか?
自動車評論家とはひと味違うトップドライバーの評価を独占激白する。
インタビュー:編集部/語り:佐藤琢磨
ベストカー2016年3月10日号
課題はリアのスタビリティ性能だった
──さっそくですが、琢磨選手は、これまでどのように新型NSXの開発を行ってきたんですか?
佐藤琢磨選手(以下、琢磨) 市街地、ワインディング、高速道路、サーキットとあらゆるシチュエーションで評価テストを行いました。2014年の年末から、2015年秋口まで約10カ月にわたって開発を行ってきました。
──テストでは、どのようなフィードバックを行ったんでしょうか?
琢磨 それはもうたくさんありますよ(笑)。意のままに操れるクルマを作るため、スロットルマップを変更し、踏み始めのトルクの出方を適正にしたり、さまざまなフィードバックを行いました。
──具体的に琢磨選手のアドバイスで、最もクルマが改善された部分は?
琢磨 クルマの挙動やバランス面、特にリアのスタビリティ性能は課題でした。サスペンションを変えてもらった箇所もあり、最初は気になっていたリア回りの剛性感がグンと増し、バージョンが新しくなるごとにスタビリティは向上しましたね。
──琢磨選手は旧型NSXを走らせた経験もあります。率直に新旧NSXを乗り比べて、どの部分が“違う”のでしょうか?
琢磨 コンセプトは新旧NSXともに“ピュアスポーツでありながら日常もこなす”という方向性ですが、新型は、そこにあらゆるシチュエーションに対応できる柔軟さがプラスされました。新型NSXはより“どんな状況でも速く走れる”クルマに仕上がっています。
──扱いやすさが新旧NSXの大きな違いなんですね?
琢磨 そうですね。旧型NSXも当時、『スポーツカーは、特殊で扱いにくい』という常識を覆したクルマでした。でも新型NSXは、4つのドライブモードを用意することで、旧型以上に快適に、且つ激しいサーキットドライブにも応えるスポーツカーへと進化を遂げたと思います。
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