ブリヂストンは、舗装路・高速走行向けのトラック・バス用オールシーズンタイヤ「M899」を2025年3月より発売する。
M899は、商品設計基盤技術「ENLITEN」をオールシーズンタイヤとして初めて搭載。求められる基本性能を車型に応じて高次元でバランスさせたタイヤとなっている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図/ブリヂストン
ENLITENを採用したオールシーズンタイヤM899
今回発売するM899は、複雑化・多様化する環境や車両の特性にあわせてタイヤ性能をカスタマイズできる商品設計基盤技術「ENLITEN」(エンライトン)を搭載した初のオールシーズンタイヤ。
ENLITENとモノづくり基盤技術「BCMA」を融合させ、新品でのライフ性能だけでなくリトレッドを含めたトータルでのライフを向上、加えて耐偏摩耗性・ウェット性能を車型に応じてエッジを効かせることで、経済性/安全性と環境性能を高次元で両立させている。
M899はタイヤの骨格であるケースの熱劣化を抑制する「ロウ・サーマルケース」、カーボンブラックの分散を均一化し、カーボンブラックとポリマーの結合を最適化した「タフロングコンパウンド」を採用。
これらの技術採用により、新品時のライフ性能を向上するとともにリトレッドを見据えたケースの耐久性も向上し、経費削減やタイヤ廃棄時に発生するCO2の削減、資源生産性の向上といった環境負荷低減に寄与している。
また、サイプ同士が支え合うことでブロックの倒れ込みを防ぐ「3D-V ウェーブサイブ」を採用することで、ウェット性能と耐偏摩耗性能を高い次元で両立し、安全運行や業務効率化に貢献している。
さらに、車型ごとの「タイヤの使われ方」や「求められる性能」を考慮し、サイズ別にパタンの最適化も実施。
大型カーゴトラックなどの前後輪に装着される275/80R22.5サイズでは、フロント装着時の偏摩耗量を従来品「M888」対比48%低減し、摩耗ライフ性能も15%向上。加えてウェット加速タイムも45%短縮している。
また、トラクタヘッドの後輪などに装着される285/85R22.5サイズでは、より摩耗ライフ性能を重視されるため、M888対比摩耗ライフ性能を26%向上しつつウェット性能も両立、ウェット加速タイムを24%短縮している。
タイヤに求められる基本性能を両立し、より高い経済性と安全性を追求した商品となったM899は、2025年3月3日の発売を予定。展開サイズは下図の4サイズが設定される。