ワゴンの快適性や利便性と、SUVの走破性を持ち合わせたアウトバック。レガシィファミリーの一員として世に送り出されて20年近く経とうとしているが、惜しまれつつ2025年3月に生産終了の予定。そこで今回は、早くからクロスオーバーモデルとして活躍したアウトバックの歴史を振り返ってみよう。
文/木内一行、写真/スバル
「アウトバックの基礎を作ったクロスオーバーモデル」 BG/BH
![生産終了なんて悲しすぎる!!!! クロスオーバーSUVの雄、[アウトバック]よ永遠に](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2025/02/23125350/BG_BH_01-600x244.jpg)
レガシィに初めてクロスオーバーモデルが投入されたのは、2代目(BG)の時。北米で「アウトバック」の名で先行して発売されていたが、日本では1995年8月に「グランドワゴン」の名でデビューした。
そのグランドワゴンの特徴は、なんといってもステーションワゴンでは例のないロードクリアランスから生まれる高い悪路走破性と、ツーリングワゴン譲りのスポーティかつ安定した走り。
エクステリアも専用マスク&バンパーや2トーンカラー、大径オールシーズンタイヤなどでたくましさを表現。開発コンセプトの「大地と調和する走り」をうまく具現化したクロスオーバーSUVに仕立てたのである。
ただ、1997年8月のマイナーチェンジ時に「ランカスター」に改称し、グランドワゴンの名はわずか2年で消滅してしまった。
続く3代目レガシィ(BH)でもランカスターは継続してラインナップされた。ワゴンのメリットを最大限に活かしつつ、都市型SUVとして独自の魅力を強化。
ロードクリアランス200mmを確保しながら全高を1550mmに抑えることで多くの立体駐車場にも対応。さらに、大型バンパーの採用や、樹脂製クラッディングパネルをフェンダーやドア下部にあしらい、傷つき防止とともにタフさを表現している。
また、2000年には新開発の3リッターの6気筒エンジンが搭載された。
【画像ギャラリー】名車アウトバックの歩みに刮目!(18枚)画像ギャラリー「世界統一名称が与えられて飛躍を遂げたシリーズの代表作」 BP
2003年には「歴代最高のレガシィ」との呼び声も高い4代目(BP)がデビュー。ツーリングワゴン/B4から5カ月ほど遅れ、それまでのランカスターは世界統一名称の「アウトバック」として追加された。
エアロダイナミクスを追求するとともに、全車3ナンバーサイズとなったボディには、専用デザインのグリルやバンパーを装備。
ボンネットもアウトバック独自の意匠となり、力強いオーバーフェンダーやサイドクラッディングも装着。クロスオーバーモデルらしい独自のスタイルを構築したのである。
最低地上高200mmを確保し、大径オールシーズンタイヤを装着することは従来と同じだが、リアサスペンションには常に車高を一定に保つセルフレベリングサスペンションが採用された。
エンジンは3リッター6気筒と2.5リッター4気筒の2本立てで、駆動方式はレガシィシリーズ共通のシンメトリカルAWD。ただし、エンジンによってシステムは異なり、3リッターはVTD(バリアブル・トルク・ディストリビューション)-AWD、2リッターはアクティブトルクスプリットAWDとなる。
2008年には運転支援システムの先駆けとなるアイサイトを初めて搭載。
そしてアウトバックは、独自のスタイルや優れた走破性、高い利便性などにより評価を上げ、クロスオーバーSUVとしての地位を確固たるものにしたのだ。
【画像ギャラリー】名車アウトバックの歩みに刮目!(18枚)画像ギャラリー
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