ついにスズキ初の市販EV「eビターラ」の価格が発表となった。なんと49kWhの2WDモデルが400万円切りを達成。最上級の4WDモデルを選んでもなんと約492万円となる。激安すぎてマジでどうなってんのよ!!! 速報でお届けしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:スズキ、編集部
400万円切りグレードを筆頭に3グレード展開
国産の乗用EVで言えば日産サクラが最安で259万9300円〜308万2200円のプライスタグ。軽自動車の取り回しの良さもあるが、やっぱり車種そもそものターゲットとして航続距離も短めだし、遠出をするユーザーにとってはちょっと大きめの車両が欲しいという人も多いだろう。
しかし登録車のEVはちょっと高いというのが大きな障壁。500万円、600万円は致し方ないという世界において、EVに魅力があっても二の足を踏んでしまう。
しかし庶民の味方のスズキがeビターラの発表でかなり思い切った戦略に出た。なんと航続距離433kmを誇る49kWhバッテリー搭載の「X」を、400万円を切る399万3000円で発表した。補助金が最大87万円と発表されたが、単純計算で約312万円でEVを買えることになる。
さらに61kWhの「Z」は航続距離520kmを誇る2WDモデルが448万8000円、4WDモデル(航続距離472km)が492万8000円だ。
4WDが必要であれば「Z」一択になるが、ユーザーの使い方でぜひ選んで欲しいところだ。試乗記を下記にお届けしよう。
乗って感じたワンランク上の爽快感
編集部が試乗したのは61kWhモデルの2WDと4WDモデル。2WDモデルに乗り込む。インテリアもスズキテイストで、アンビエントライトも装備されるなど非常に洗練された印象。フロンクスのインテリアからひとつ先に進んだデザインで、EVらしさも感じるが「とっつきにくさ」はない。
グッとアクセルを踏み込む。試乗会場が袖ヶ浦フォレストレースウェイで路面もクリーンなのだが、まず静粛性の高さは目を見張るものがある。40km/hから80km/hあたりまでの中間加速を試してみたが、ハイブリッド車同等の加速感は好感を持てる。
ガバッと電子スロットルが開く車種も最近は多いのだが、しっかりと反力を感じるアクセルはとても好印象。回生スイッチは3段階あるのだが、日産のワンペダルのような強力な回生ブレーキは感じられない。
あくまでも「普通」に徹することがスズキの使命ともいうべきか、極端な違和感がまったくない。フロンクスやスイフトなどのスズキらしい乗り味が、そのままBEVになったという感じだ。うーん、一般道で乗ってみたい。
4WDモデルはオフロードに真価あり
続いて4WDモデルに乗ってみる。すると加速感は明らかに4WDのほうが鋭い印象だ。背中を蹴られるような暴力的な加速ではない。0-100km/h加速が2WDが8.7秒に対して、4WDは7.4秒。体感でも感じられるほど差が明らか。
コーナリングについても素直なフィーリングだが、筆者にとっては2WDモデルの方がすーっと狙ったラインを曲がれるように感じた。ただコーナー脱出時の加速感は4WDモデルが非常に魅力的。
もちろん降雪地域であれば4WDモデルを選ぶことが多いと思うが、これであれば都心部のユーザーでも4WDを選ぶメリットはあるかもしれない。
ただ今回のサーキット試乗だけで評価するなら筆者は間違いなく2WDモデルを選ぶだろう。2周目からはパイロンが設置されたコーナーでも修正舵を入れることなく、スーッと曲がることができるのが2WDだった。もちろん旋回性能単体で見ると4WDが上だが、素直さは確実に2WDモデルに軍配があがる。
しかし4WDには「トレイルモード」と呼ばれる隠し球がある。これこそが「スズキらしさ」になるのだが、簡単にいえば対角スタックなどの際に浮いたタイヤにブレーキをかけて直進をさせるモードだ。現行ジムニーなどにも搭載されるブレーキLSDと思ってほしい。
悪路走破性はかなりのものだと開発陣もにんまりしていたので、次はぜひ簡単なオフロード試乗をしてみたいものだ。それこそ4WDモデルの真骨頂だろう。
そしてこの価格なら間違いなくコスパ最強クラスのEVだ。





































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