現代のクルマの車外からのドアの開閉は手を上から下に入れて引くドアハンドルが主流となっている。
もしそうでなかったとしても、「ドアの開閉方法がわからない」と悩んでしまうようなものはほとんどない。
しかし過去のスーパーカーなどにはドアの開閉方法がパッと見では本当にわからないというものもあり、当記事ではそんなものも含めた個性的なドアハンドルを持つクルマを紹介していく。
文:永田恵一/写真:SUZUKI、TOYOTA、NISSAN、FIAT、FERRARI、LAMBORGHINI、PORCHE
【画像ギャラリー】どうやって開けるの? ドアハンドルはいたって普通なのに車内からドアの開け方が個性的なクルマ
スズキスイフト(現行車)
コンパクトカーの現行スイフトのリアドアの開閉はCピラー近くの上方に上下方向に置かれたドアハンドルで行う。標準車、スイフトスポーツとも同じタイプだ。
これは「5ドアのクルマを3ドア風に見せたい」というスタイル重視のハッチバックでは常套手段で、現行車で目にすることは意外に多い。
トヨタC-HR(現行車)
C-HRはトヨタでは新世代となるTNGA-Cプラットホームを使った、ミドルクラスの乗用車とSUVのクロスオーバーである。
C-HRはクロスオーバーといってもほとんど乗用車と変わらない最低地上高や後方に行くに従ってルーフが下がるクーペルックを持つ点など、スペシャリティなクロスオーバーというキャラクターが強い。
というクルマなこともあり、C-HRもスイフト同様に「5ドアを3ドア風に見せたい」という意図があるようで、リアドアはCピラー近くの上方に横方向に置かれた小さなドアハンドルで行う。これは人によっては困惑してしまうかもしれない。
フィアットバルケッタ(初代:1995~2002年)
ユーノスロードスターに影響を受けたコンパクトオープン2シータースポーツの1台として1990年代中盤に登場したフィアットバルケッタは、成り立ち自体はFFコンパクトカーのプントベースという比較的手軽なものである。
その代わりデザインの国イタリアの遊びグルマらしくボディ同色の樹脂を多用したドアトリムやダッシュボード下部、イタリア語で「小舟」を意味するバルケッタの車名が納得できるエクステリアなど、実にスタイリッシュなモデルだった。
スタイリッシュなのはドアハンドルもそうで、バルケッタのドアはボタンを押すと浮き上がる棒状のものを引くとドアが開く。ドアを開けるたびに「今からバルケッタに乗る」という気分が高揚するのはけっこうなのだが、イタリア製だけに「いつかポキッと折れてしまわないだろうか」という心配も否めなかった。
コメント
コメントの使い方