夏のゲリラ豪雨で道路が川に!! SUVでも冠水路に突っ込んではいけない本当の理由

夏のゲリラ豪雨で道路が川に!! SUVでも冠水路に突っ込んではいけない本当の理由

 いまや新車販売の主役となったSUV。車高の高さや4WDモデルも多いことによる安心感から、「大雨でも大丈夫」と考える人もいるかもしれませんが、SUVであっても冠水路に進入するのは危険。立ち往生や重大な故障に繋がるおそれがあります。

 車高が高く、一般的な乗用車よりも浸水のおそれが少ないSUVでも、冠水路に進入してはいけないのはなぜか。その本当の理由と、水面下に隠された危険について解説します。

文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_ Imaging L/写真:Adobe Stock、写真AC、JAF

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車高が高いSUVでも冠水路は安全ではない

 大雨に遭遇しやすいこれからの季節。梅雨が明けても、夏は台風や線状降水帯の影響で、道路が短時間で冠水するような激しい雨が発生しやすい時期です。気象庁によると、大雨の年間発生回数は有意に増加しており、雨の強度が強いほど増加率も高くなっています。クルマを運転するうえでも、これまで以上に大雨への備えが重要になっています。

 雨天時の運転では視界不良やスリップに注意が必要ですが、バケツをひっくり返したような大雨で気を付けたいのが冠水路です。冠水路へ安易に進入すると、エンジンや電装系の故障や車両の水没など、深刻なトラブルにつながるおそれがあります。

 これは一般的な乗用車でもSUVでも同じ。実はSUVの最低地上高は約180~200mmと、一般的なセダンの最低地上高約130~150mmと50mm程度しか変わりません。実際、JAFが行った水深60センチの冠水路を走行するテストでは、SUV(日産エクストレイル)は時速10kmでは走行できたものの、時速30kmでは約10mでエンジンが停止するという結果になっています。

 水深60センチというと、成人男性なら膝の少し上くらいの高さです。セダン(トヨタマークII)は水深60センチでは(時速10kmでも)実験の冠水路を走破することができなかったため、エンジン位置が高い傾向にあるSUVは、一般的な乗用車よりも水深においては有利であるという結果にはなっていますが、SUVであっても、膝の高さで走行不可能になることは覚えておきたいところです。

冠水路走行テスト(JAFユーザーテスト)

車高が高いSUVは一般的な乗用車より冠水には有利だが、それでも安全に走行できるわけではない(PHOTO:Adobe Stock_ Diamond Fuji)
車高が高いSUVは一般的な乗用車より冠水には有利だが、それでも安全に走行できるわけではない(PHOTO:Adobe Stock_ Diamond Fuji)
JAFの冠水路走行テスト結果。水深60センチではセダンは走破できず、SUVも時速30 kmでは走破できなかった(画像はJAFの実験結果をもとに筆者作成)
JAFの冠水路走行テスト結果。水深60センチではセダンは走破できず、SUVも時速30 kmでは走破できなかった(画像はJAFの実験結果をもとに筆者作成)

水面下には「見えない危険」が潜んでいる可能性がある

 しかし、SUVであっても冠水路に進入してはいけない理由は、水深だけではありません。

 一般的には縁石が見えなくなったら危険といわれますが、深さを正確に判断することは困難ですし、大雨による冠水では、水が濁っているため、水の中の状況がまったくわからなくなります。道路脇の側溝との境界も見えなくなり、マンホールの蓋が外れていたり、路肩が崩れていたりしたとしてもわかりません。

 水深も一定とは限りません。アンダーパスでは想像以上に深く冠水していることも珍しくなく、数メートル先では急激に深くなっているケースもあります。また、流木や木の枝、飛散物などが水中に沈んでいることもあり、気付かずに乗り上げればタイヤや足まわりを損傷するおそれもあるほか、倒れた電灯や切れた電線が隠れていることも考えられ、接触すれば感電の危険もあります。

 SUVは車高が高く、一般的な乗用車よりも冠水には有利ですが、その優位性はタイヤが捉えるべき確かな路面あることが前提です。水の下に何があるのかわからない冠水路では、車高の高さや4WD性能だけで危険を避けることはできないのです。

冠水路では水面の下に側溝やマンホール、障害物が隠れていることも。水深や路面状況は目視では判断できない(PHOTO:Adobe Stock_jpimage)
冠水路では水面の下に側溝やマンホール、障害物が隠れていることも。水深や路面状況は目視では判断できない(PHOTO:Adobe Stock_jpimage)

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