トップグレードは魅力的で性能も高い……けれど、セカンドグレードも実は価格と性能のバランスで見ればかなりの優良グレード!?
クルマを選ぶ時にトップグレードだけに目を奪われてはいないだろうか? トップグレードはいいに決まっているのだが、実はあえて2番手グレードを選ぶ意味があるモデルも存在するのだ。
例えば、スープラなら直6エンジンを搭載するトップグレードだけでなく、2L直4ターボエンジン搭載グレードも魅力的といった具合。この例を筆頭に、5つの優れたセカンドグレードを紹介していきたい。
文:国沢光宏、編集部、永田恵一
写真:MITSUBISHI、編集部、NISSAN、HONDA
ベストカー 2020年6月26日号
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スープラ「SZ-R」
古今東西、どんな車種であってもTOPグレードは“極端さ”を追求している。
スポーツモデルだったら動力性能であり、高級車なら排気量大きいエンジンに豪華な装備を持たせる傾向。SUVやミニバンなども高い価格に見合った象徴的な装備やスペックを持たせてくるワケです。考えようによっちゃ一点豪華主義ですね。
一方、セカンドグレードはバランスを取る。そしてベースグレードになると、価格コンシャスだ。
スープラも同じ傾向。3Lターボ車に乗ると華やか! 誰でもわかる凄いパワーを持つ。けれど使いきれるかとなれば、少しばかり持てあます。かといってベースグレード「SZ」の197psだと、高回転域のパンチ力が足りない。実用性重視。
セカンドグレードのSZ-Rの258psならパワーでテールを持っていくだけのパワーを持つし、フロントも軽くて軽快なハンドリングだったりする。バランスという点じゃ好ましい。
【国沢光宏】
スイフト「RS」
スイフトといえば1.4Lターボエンジンを積んだスイフトスポーツがトップグレードとして君臨する。その価格も201万7400〜214万1700円と国宝級のコスパの高さだ。
しかし、ホントなら1Lターボを積んだ「RSt」を推したかったのだが、5月15日に発表された一部仕様変更で「RSt」はカタログ落ちに。
そこで注目は1.2L・DOHCエンジン搭載の「RS」。FFの5MT車なら178万2000円と価格も納得で、WLTCモード燃費で21.8㎞/Lをマークする低燃費もスイフトスポーツを4.0㎞/L以上凌駕。
キビキビ感と燃費のよさで充分魅力的なセカンドグレードと言えるだろう。
【編集部】
ギャランフォルティス「ラリーアート」
2007年登場のランエボXは、3ナンバーサイズとなったギャランフォルティスがベースとなった。
ランエボIXまでに対し、ベース車の違いもあって車重は重くなったが、一般ユースの「GSR」ではクルマ自体のポテンシャルの向上に加え、センターデフをコントロールするADC、後輪左右をコントロールするAYC、横滑り防止装置ASCを統合したS-AWCの採用などにより、ロードカーとしての質感を向上。
また、5速MTに加えてツインクラッチSSTと呼ばれるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)も設定され、大きくユーザー層を広げた。
ランエボXに続いて翌2008年に加わったギャランフォルティスラリーアートは、車名が示すようにボディはランエボXを基準にすればナローとなるギャランフォルティスのものを使う。
パワートレーンはランエボXに対してディチューンされた240psの4B11ターボ、駆動系はツインクラッチSST+ACD+前後LSDという構成で、価格はランエボXの約80万円安だった。
ラリーアートはランエボXのような爆発的な部分こそないものの、マイルドなサスペンション、充分なパワーを持ち、ランエボXに対して小回りが劇的に利く点など、公道ユースでは価格の安さだけでなくランエボⅩより好ましいクルマだった。
それだけにいいクルマだったのに、浮上することなく絶版となったのは気の毒だった。
【永田恵一】
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