スカイライン「GT-V」
1998年登場の10代目R34型スカイラインは、ジャパン以降の直6エンジン時代の歴代スカイラインと同じく、ターボ車(R34はR33同様に2.5L)がイメージリーダーだった。
2Lと2.5LのNAもあったのだが、2.5L・NAは「どうせ買うならターボのほうが」という印象が否めなかった。
そんな声に対し、2000年にセダンとクーペそれぞれに加わったのが「25GT-V」である。一時期のレビン&トレノのスパルタンなグレードと名前が被る「GT-V」は、簡単に言えばエンジンとNA用のMT以外は2.5Lターボと同じという仕様だ。
そのため2.5L・NAながら電子制御パワステ、4輪操舵の電動スーパーハイキャス、前後対向ピストンキャリパーとなるブレーキ、17インチタイヤ、MT/ヘリカル、AT/ビスカスとなるLSDを装備。
ターボに比べればローパワーなだけに車体の余裕が増え、そのぶんをゆとりに使い「パワーを安心して使える」というキャラクターを持っていた。
もちろん、価格もターボに対して約32万円安く、“安いからではなく魅力があるから”という前向きな考えで買える隠れた名車に仕上がっていた。
【永田恵一】
インテグラ「タイプS」
2代目インテグラ以来8年ぶりとなる2001年にフルモデルチェンジされたDC5型3代目インテグラは3ドアクーペのみとなった。
また2代目モデルは登場2年後の1995年に追加された「タイプR」だけが人気車となったこともあり、3代目モデル登場時はタイプRしかないように見えるほどだった。
実際には220psのタイプRの2L・NAエンジンを160psにデチューンし、5速ATもある「手軽な3ドアクーペ」という明確なキャラクターを持ち、タイプRに対し、85万円も安いという「iS」もあったのだが、存在感は非常に薄かった。
そんな背景もあり、2004年のマイチェンで「iS」は「タイプS」に移行。
「タイプS」はパワートレーンこそ「iS」と変わらないものの、15インチから「タイプR」と同じ17インチにサイズアップされたタイヤや再チューニングされたサスペンション、2インチ拡大されたブレーキローターを採用。
エクステリアもタイプR的なものとし、価格もタイプRの約74万円安となる199万5000円に抑え、「ほどよいスポーツクーペ」というキャラクターを持った。
乗れば「タイプR」に対し、コンセプトどおりに仕上がっていた「タイプS」だったが、浮上する以前に残念ながらインテグラ自体が2006年に絶版となってしまった。
しかし、非タイプRの3代目インテグラは若者の最初のクルマなどにはアリなチョイスだ。
【永田恵一】
コメント
コメントの使い方