2026年に入って、EVの購入補助金が大きく増えた。ただし、この補助金は「もらって終わり」ではない。決められた期間内にクルマを手放すと、補助金の一部を返さなければならないのだ。知らずに売ってしまうと、思わぬ出費になりかねない。この知らないと損するルールを整理していこう。
文:佐々木 亘/画像:ホンダ
【画像ギャラリー】EVは4年以内に売ると補助金返納!? ホンダ「スーパーワン」のスタイリングをじっくり見て!(14枚)画像ギャラリー原則として4年間は持ち続ける義務がある
CEV補助金を受け取ったクルマには、「処分制限期間」と呼ばれる保有義務の期間が設けられている。自家用の乗用車と軽自動車は、どちらも4年間だ。この期間中は、補助金の目的に沿ってクルマを使い続けることが求められる。
ここで言う「処分」の範囲は、思っているより広い。売却だけでなく、次の行為もすべて含まれる。
例えば、他人に譲る、ほかのクルマと交換する行為。他人に貸す、廃車にする行為。借金の担保にするなどが当たる。
つまり、下取りに出して乗り換える場合も、家族に譲る場合も、原則として処分にあたるというワケ。これを十分に熟知しておきたい。
返す額は「残りの期間」で決まる
4年以内に手放したからといって、補助金を全額返すわけではない。現在の制度では、保有義務の残り期間に応じて返す額が決まる。計算式は次のとおりである。
返納額 = 補助金額 × 残りの期間 ÷ 4年
具体的に計算してみよう。130万円の補助金を受けたEVの場合、1年で手放すと130万円 × 3/4 = 97万5000円、2年で手放すと130万円 × 2/4 = 65万円、3年で手放すと:130万円 × 1/4 = 32万5000円ということになる。
仮に1年で乗り換えれば、100万円近くを返すことになるのだ。補助金の額が大きくなった分、返す額も大きくなるといった点はしっかりと押さえておきたい。
必ず「手放す前」に申請する
もっとも注意すべきは、手続きの順番である。クルマを手放す前に、補助金を交付した次世代自動車振興センターへ「財産処分承認申請書」を出し、承認を受けなければならない。流れは次のとおりだ。
処分の前に承認申請書を提出すること。そしてセンターから承認の通知を受け取ること。するとクルマを売却などで手放すことができ、処分したことを報告書で届け出る必要がある。そして通知された返納額を、期限内(通知から20日以内)に納めるという流れ。
この手続きを踏まずに無断で手放したことが分かると、残りの期間に関係なく、補助金の全額を返すよう求められることがある。130万円を受けていれば、130万円すべてを返すことになりかねない。「売ってから考えればいい」は通用しないのである。
また、国の補助金とは別に、自治体の補助金を受けた場合は、そちらのルールも確認が必要だ。たとえば東京都の補助金では、都の外に引っ越して車検証の使用の本拠を移すことも「処分」にあたる。無断で処分した場合には、全額の返納に加えて、年10.95%の加算金が上乗せされる。転勤の多い人は特に気をつけたい。

















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