ホンダ ストリーム流転の背景 大ヒットしたミニバンの革命児!!【偉大な生産終了車】

ホンダ ストリーム流転の背景 大ヒットしたミニバンの革命児!!【偉大な生産終了車】

 毎年、さまざまな新車が華々しくデビューを飾るその影で、ひっそりと姿を消す車もある。

 時代の先を行き過ぎた車、当初は好調だったものの、市場の変化でユーザーの支持を失った車など、消えゆく車の事情はさまざま。

 しかし、こうした生産終了車の果敢なチャレンジのうえに、現在の成功したモデルの数々があるといっても過言ではありません。

 訳あって生産終了したモデルの数々を振り返る本企画、今回はホンダ ストリーム(2000-2014)をご紹介します。

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文:伊達軍曹/写真:HONDA


■「新価値7シーター」をコンセプトに大ヒット!! ストリームがもたらした新機軸

「ミニバンとしてのユーティリティ性と、セダンに匹敵する走行性能を備えた車」という完全なる新機軸で2000年に登場。

 発売から10カ月で累計販売台数10万台を超える大ヒット作となったものの、2003年に「コピーか?」とも思える類似車が大手競合から登場したことで勢いはストップ。

 その後フルモデルチェンジを行って捲土重来を図るも、ジャンル自体が時代遅れとなったせいか、2014年には消滅してしまったブランド。

それが、ホンダ ストリームです。

 初代ストリームのデビューは2000年10月。「グローバルコンパクトプラットフォーム」と呼ばれていた当時のシビックの車台を延長し、そこに3列シート/7人乗りとなる「ドルフィンフォルム」のボディを載せた車が初代ホンダ ストリームでした。

 そのボディサイズは全長4550mm×全幅1695mm×全高1590mmです。

初代ストリーム。5ナンバーサイズのコンパクトボディに、7人乗り乗用車の快適な室内空間とスタイリッシュな外観、スポーティな走りを高次元に融合。「21世紀に向けた7名乗車のクルマとしての新潮流の創造」を標榜

 3列目シートは、新車時の広報資料によれば「大人がゆとりをもって座れる快適性を実現」とうたわれていましたが、実際は「極端に狭くはない」ぐらいのニュアンス。

 ただ、ダブルフォールディングさせてしまえば「2列シート+広い荷室を持つ車」には変身しました。

シートアレンジ例

 初期モデルの搭載エンジンは最高出力130psの1.7L直4VTECと、最高出力158psの2L i-VTEC。

 トランスミッションは、1.7L版には4速ATが、2Lの4WDモデルにはスポーツモード付き4速ATが、そして2LのFFモデルには新開発のスポーツモード付き5速ATが組み合わされました。

 その後の一部改良と2003年9月のマイナーチェンジを経て、2006年7月のフルモデルチェンジでホンダ ストリームは2代目に進化しました。

「使う」ということに徹底的にこだわった2代目は、全高を1545mmとしたことで、ほとんどの立体式駐車場に入庫可能に。

 そして全高は低くなりましたが、車内スペースは逆にやや広くなり、3列目の空間も拡大されています。具体的には、燃料タンクを薄くして2列目シートの下に配置することで、3列目のフットスペースを拡大したのです。

2代目ストリーム。初代の全長4550×全幅1695×全高1590mm、ホイールベース2720mmに対し、2代目は同4570×1695×1545mm、2740mmというサイズに

 搭載エンジンは2種類の直4 i-VTECで、同世代のシビックにも採用された1.8L版は最高出力140ps、新開発の2Lユニットは150psというアウトプット。

 トランスミッションは5速ATとCVTが用意され、スポーティグレードの「RSZ」にはパドルシフトが採用されました。そして駆動方式は、全グレードでFFと4WDの双方を選ぶことが可能でした。

 2代目ストリームの走りは評論家筋からもユーザーからも高く評価され、そして二度のマイナーチェンジで商品力を向上させる努力も怠らなかったのですが、後述する理由により販売は低迷。

 結局2014年6月には生産終了となってしまい、「背の低いミニバン」という新たな地平を切り開いたホンダ ストリームは、2世代にわたる歴史に幕を下ろしました。

次ページは : ■競合ウィッシュの登場とミニバンの台頭… ストリームが姿を消した理由

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