人の動きが止まって価格も暴落!!? 大荒れ中古車市場 いまは“買い”なのか“待ち”なのか?

 コロナ禍によって4月は新車のみならず中古車の売れゆきも落ち込んだ。これにより中古車の需要が低迷して中古車価格にも影響が出ているという話もチラホラ。実際のところどうなんだ? 何かと異変が起きている中古車市場をレポート!

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※本稿は2020年6月のものです。中古車市場の状況は2020年4月のものを元としています
文:萩原文博、渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年7月10日号


■4月販売台数は前年比約10%減少

(TEXT/萩原文博)

●中古車価格は下落中!

 ちょうど、この原稿を執筆する直前に新型コロナウイルス蔓延による非常事態宣言が解除された。宣言されたのが4月7日で約1カ月半の間、経済活動は大きく停滞してしまった。

 当然のことながら、自動車業界もダメージを負っている。生産工場が止まり、販売店も3月の年度末の大需要期を迎えているにもかかわらず、外出自粛によって販売台数は例年から大きく下がった。

4月は新車だけでなく中古車の販売台数も落ち込んだ

 日本自動車販売協会連合会が発表した登録台数データを見てみると、登録車+軽自動車の新車販売台数は2020年3月の大需要期は対前年比90.7%の58万1430台で収まったが、緊急事態宣言が発令された2020年4月の販売台数は27万391台で対前年比71.4%と大幅にダウンした。

 もともと4月は需要期後なので、数字が低くなりやすいのだが、27万台という数字は1年を通じて見たことがないほど低い数字だ。このまま行くと5月はさらに低い数字となるのは確実だ。

 一方、中古車も新車ほどではないが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が出ている。2019年が好調だったこともあるが、2020年1月の対前年比は98%、2月は93.6%と前年割れとなった。

 しかし大需要期の3月は少々盛り返し96.6%まで挽回。とはいえ、需要期後の4月は対前年比90.2%と再び大きくダウン。緊急事態宣言の延長、そして毎年、登録台数が減少する5月はさらにダウンする可能性は高いといえるだろう。

 ウイルス感染の危険性が高いといわれる公共交通機関を避けて、クルマでも外出が増え、クルマも新しい生活様式の一部として見直されているという噂も耳にする。しかし、まだユーザーが実際にクルマ購入のアクションを起こすのは時間がかかりそうだ。

●輸出ができないことで中古車価格が下落した車種も!

 このことを販売店に聞いてみると「私の店では3月はほとんど、影響がなかったですね。4月になって一気にお客さんの動き、そしてオークションの動きも鈍くなりました。

資金力のない店は、緊急事態宣言が解除されても、なかなかお客さんが来ないことには、6月には在庫を一掃しないと運転資金が危うくなるということもありえますね。

オークションの動きが鈍いのは国内市場の停滞も影響していますが、やはり世界的なウイルス感染によって外国で港がロックダウンしているため中古車を輸出できないことの影響が大きいかもしれません」と話してくれた。

仕入れ値で取引されている中古車オークション。コロナ禍の影響で車種によってはその相場に大きな変動が起こっている

 中古車の輸出というとR32スカイラインGT-Rなど25年ルールによる中古車の海外流出を思い浮かべるだろうが、それは中古車の輸出の氷山の一角にすぎない。

 新車、中古車問わず、トヨタアルファード/ヴェルファイアはアジア圏では大人気となっているし、スリランカではトヨタプレミオ/アリオンは高級車として非常に人気が高いし、ホンダフィットシャトルハイブリッドなども人気だ。

 さらにオーストラリアではマツダアテンザ、ニュージーランドでもフィットやスイフトなどの中古車が人気で日本から中古車がどんどん輸出されているのだ。

オーストラリアで人気の高いマツダ アテンザ(現マツダ6)

 しかし、輸出がストップして海外へ高値で売れていた人気の高いクルマの中古車相場はだいたい平均20万円ダウン。海外でも人気の高いアルファード/ヴェルファイアの未使用車に至ってはオークションで100万円もダウンした。

 アルファード/ヴェルファイアの中古車は流通量も増えて通常であれば相場は下がるはずだったが、中古車のなかでも高値がつく未使用中古車が国内に残って店頭に並んだことで、相場は横這いをキープする現象も起きた。

 そもそも、中古車は新車のように定価がないため、需要と供給のバランスによって価格が決まる。まるで株式のようなもので、常に相場は変動するのだ。需要が止まり供給過多となっている現在、一体中古車は買いなのかそれとも待ちか、どちらだ。

■結論:今、中古車は買い時!

●需要が落ち込み値下がりしている傾向

 新型コロナウイルスの影響で販売が停滞している中古車。今、買いなのか? それとも待ちなのか? というと、もちろん“買い”だ。

 先ほども述べたが、中古車は需要と供給のバランスで価格が決まる商品だ。3月がなぜ大需要期と呼ばれ、1年で最も販売台数が多いのかというと、新卒や転勤などによってライフスタイルが最も変わるタイミングだからだ。

 3月の中古車販売台数を見ると台数は減少しているものの、対前年比96.6%と踏みとどまっている。これはやはり必要な人は中古車を購入したと判断すべきだ。

 その後のアフター需要期である4月の販売台数は大きくダウン。例年5月の大型連休明けからは中古車の需要が落ち込むタイミングなうえに、今年は新型コロナウイルスの影響で、さらに需要は落ち込む。

 そうなると、販売店は少しでも価格を下げて販売しなければならなくなるはずだ。だからこそ今、中古車は買いのタイミングと言えるのだ。

 しかも、例年ならば3月の中古車相場は需要期のため、横這いとなり落ち着いた値動きとなるのだが、今年は3月の需要期でも多くの車種が値落ちを示していた。

 さらに4月に入り、アルファード/ヴェルファイアのように未使用車が市場に流入しても中古相場は上がっていない状況。ユーザーにとってはまさにオイシイ状況となっているのだ。そんな値落ちしているオイシイ車種を紹介しよう。

3月から2カ月で中古相場が20万円程度値下がりしたヴェルファイア

●フィットやヴェルファイアの中古価格は大幅下落!

 まずは2020年2月にフルモデルチェンジを行ったホンダフィットの先代モデル。中古車相場が活発に動くフルモデルチェンジを行ったにもかかわらず、需要期である3月の平均価格は約120万円で横這い。流通台数も約3800台をウロウロという状況だった。

5月に入って2カ月で10万円以上平均の中古価格が下落した先代型フィットは、今狙い目の中古車の一台

 しかし、需要期が終わると、流通台数が増加し、現在は約5590台とわずか2カ月で約1800台も増加している。もちろん平均価格も3月末の約120万円から現在は108万円とこの価格帯としては暴落といえる値動きを示した。中古車の平均走行距離が延びている点からも、海外への輸出が止まった影響がリアルに出ているのである。

 一方、フィットと同じタイミング、2020年2月にフルモデルチェンジしたヤリス。先代まではヴィッツだが、こちらも世代交代による値落ちが目立つ。3月の時点での流通台数は約2970台で、現在は約3850台と880台増加している。

トヨタ ヴィッツ

 中古車の平均走行距離は需要期前が約3万kmで、現在が約3.2万km。この変化とリンクするかのように平均価格は需要期直前の約88万円から約84万円と4万円の値落ちを記録。

 この価格帯の値落ち幅としてはヴィッツが標準レベルなので、いかにフィットの値落ち幅が大きいかがわかってもらえるだろう。

 そして、6月にフルモデルチェンジを行うとアナウンスされたSUVの人気モデルであるトヨタハリアー。すでにニューモデルの内外装も発表されており、話題となっている。

ハリアーは新型が6月に発売されて旧型になるため、その先代型は一時期値を下げる動きが見えた

 人気のハリアーの中古車でも新型が登場すると発表された影響は中古車市場に現れており、3月上旬の平均価格は約268万円だったが、現在は259万円と9万円の値落ちを記録。

 しかし人気の高いモデルだけに、値落ちしたらすぐにユーザーがアクションし、すでに相場は横這いへと変化している。

 国内だけでなく、海外でも人気のあるトヨタヴェルファイア。需要期が始まった3月上旬の流通台数は約1790台だったが、需要期が終わり、4月に入ると流通台数は急激に増え始めて、現在でもピークといえる約2190台となっている。

 平均価格は需要期中の3月は約370万円でほぼ横這いで推移していたが、需要期の終盤から値落ちが始まって5月の連休明けのタイミングまで値落ちが続き、現在の平均価格は約348万円。

 平均走行距離も2.4万kmから2.8万kmと延びているものの、人気車のヴェルファイアがわずか3カ月で20万円という値落ち幅はこれまで記録したことはほとんどない。

 これに対して、日本ではあまり人気がなく、海外で人気の高いトヨタプレミオの中古車相場を見てみると、やはり、ロックダウンによって輸出が止まったことにより現在は約280台と3月の約1.5倍の流通台数だ。

日本では地味な存在のトヨタプレミオ/アリオンだが、スリランカでは人気で中古車が輸出され数多く売れている

 平均価格は3月の需要期開始の時点が約95万円で、一時は約86万円まで値落ちしたものの、現在は約91万円まで戻っている。

 こうして見ると、現在狙い目の車種はフィットのようにフルモデルチェンジやマイナーチェンジを行っていること。さらにヴェルファイアのような日本国内だけでなく、海外でも人気の高い車種ほど、国内経済の停滞や海外のロックダウンの影響が大きく、現在買い時となっているのだ。

■こんな状況のなか売れている中古車はあるのか?

 あの人気のヴェルファイアでさえも値落ちとなっているこのタイミングで、販売が好調の中古車はあるのだろうか。

 販売が好調な中古車の見極め方法は、流通台数が減少していて、平均価格が横ばいから値上がり傾向となっているという特徴がある。現在そのような動きの車種があるのかと調べてみると見つかった。

 その車種というのは現行型のスバルフォレスターだ。中古車の流通台数は5月の大型連休前に約235台のピークを記録し、その後は約200台まで減少。しかも平均価格は3カ月前から約295万円でほぼ横這いだ。やはりコアな人気のスバル車は強いのだ。

根強い人気の高さのある現行型フォレスター

■まとめ 今後の中古車市場はどうなる?

 緊急事態宣言が解除されたばかりで、今後の見通しを立てるのは非常に難しい。

 しかし、解除されたとはいえ、三蜜を避けるなどの新しい生活様式を取り入れていかなければならない。公共交通機関や不特定多数の人が共有するカーシェアリングなどは消毒や換気をしていても、不安を払拭できない。

 そこでマイカーの存在が見直されつつある。特にこれまで公共交通機関で出掛けていた若者を中心にクルマの、プライベート性が見直され、クルマが新しい生活様式を実現させるためのアイテムとなりつつあるのだ。

 もちろん個人リース、残価設定ローンなどさまざまな所有の提案のある新車は魅力だが、絶対的に価格の安い中古車はさらに手が届きやすい。

 注目はホンダが展開している中古車を使用したサブスクリプション(番外コラム参照)だ。今後は運転支援システムが充実したコンパクトカーやSUVのお手頃な中古車に注目が集まりそうだ。


【番外コラム】ホンダ中古車サブスクはどれだけお得なのか?

(TEXT/渡辺陽一郎)

 コロナ禍の終息まで、公共交通機関の利用を避けるため、クルマを使いたい人もおられるだろう。そこで注目されるのが、「ホンダマンスリーオーナー」だ。トヨタの@KINTO」などと違って、新車を卸す方式ではなく、ホンダの中古車を定額制で貸し出す。

 1カ月単位(最長は11カ月)で借りられ、最も安い月額2万9800円のコースでは、走行距離が2万~4万kmのN-BOXが使われる。

 利用料金には任意保険も含まれ、車両補償も付帯される(免責5万円)。全年齢補償で各種の限定もないため、契約者の未成年の子供が運転中に事故を発生させても任意保険を利用できる。

 契約者自身の等級が保険の使用で下がっていても支障はない。

 大手レンタカーも1カ月単位で借りられるマンスリーコースを用意するが、軽自動車でも7万~10万円の料金設定が多い。補償が付帯されて2万9800円のホンダマンスリーオーナーは割安だ。

ホンダマンスリーサービスは埼玉県和光市にあるホンダ認定中古車販売店「ユーセレクト城北」でサービスを開始しており、今後拡大展開する予定になっている

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