高速道路の路肩駐車はなぜ危険? 駐車時にやるべきこと

高速道路の路肩駐車はなぜ危険? 駐車時にやるべきこと

 高速道路を運転中、ドラブルで路肩に車を停める事態に遭遇することはそう多くない。

 でも、そこには一歩間違えると大きなリスクを孕んでいる。——8月25日、徳島県の徳島自動車道で、停車中のマイクロバスにトラックが追突。2名が死亡して14名が負傷する痛ましい事故が発生した。

 マイクロバスはエンジン故障のために路肩に停車して、そこにトラックが追突したと見られる。マイクロバスは追突を受けたことで道路の左側にあるガードレールを乗り越え、数メートル下の、のり面に転落して横転した。

 NEXCO東日本が公表した資料によれば、2014年に発生した死亡事故の大きな要因は、『単独事故』、『停止車両衝突』、『人と車の事故』の3つ。全死亡事故57件のうち停止車両衝突による死亡事故件数は14件と2番目に多い事故原因となっている。

 そこで万一、車両にトラブルが生じた時の対処方法について改めて考えたい。

文:渡辺陽一郎/写真:shutterstock.com


『どこに駐めるか』で追突されるリスクが変わる

 最も危険なのは、追い越し車線や走行車線上に停車することだ。エンジンなどに不調を感じた時は、まず一番左側の『第1走行車線』に移る。

 そして、定められた最低速度(最高速度が時速100km/hの高速道路では最低速度は50km/h)を下まわった時は、第1走行車線を走っていても追突される可能性が高まる。そこでハザードランプを点滅させながら路側帯に乗り入れる。

 通常、路側帯の走行は禁止されているが、路側帯に駐車すると、徳島自動車道の事故のように追突される危険が生じる。

 可能なかぎり路側帯を50km/h以下で走行しながら、非常駐車帯や一般車両が通行しない高速バスの停留所などに避難する。現場の状況判断で、追突される危険性が最も低い場所に停車したい。

高速道路には『非常駐車帯』が存在する。非常電話が同じ場所に設置されているケースも多い。もしやむを得ず車を停める場合も、路側帯に停めるより格段にリスクが減る
高速道路には『非常駐車帯』が存在する。非常電話が同じ場所に設置されているケースも多い。もしやむを得ず車を停める場合も、路側帯に停めるより格段にリスクが減る

路側帯に車を停めたら『車外へ避難』が鉄則

 万一、路側帯に停車した時は、ハザードランプを点滅させて乗員を車外に避難させる。路側帯では走行している車両が運転ミスなどによって飛び込んでくることが想定されるため、ガードレールの外側へ避難する。

 この時は停車している車両の進行方向とは逆の方向(つまり引き返す方向)にガードレールの外側を歩く。進行方向では、万一停車中の車両が追突された時に、避難している乗員がダメージを受ける心配があるからだ。

 特に子供を連れている時は充分に注意したい。絶対に子供から手を離してはならない。降車する時は必ず左側のドアを使い、車道の方へ向かわないよう充分に注意する。

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