2020年8月の終わりに正式発表されてから2ヶ月ちょい、発売(10月30日)からは1週間ちょい。ホンダeの評判がすこぶるよい。
価格は450万円から500万円、一回の充電で走れる距離も250kmちょっとと、いくら先進的、超絶キュートなデザインとはいえ、購入には二の足を踏んでしまいそうなモデルだが、なぜこんなに評判がいいのか?
9月末の街中での試乗の様子を交えながら、自動車評論家 鈴木直也氏、松田秀士氏、飯田裕子氏、片岡英明氏の4氏にその魅力を聞いた。
【画像ギャラリー】待ちゆく人も興味津々! 街中での試乗の様子も含めホンダeをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年10月のものです
文/鈴木直也、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』 2020年11月10日号
■鈴木直也はこう評価する
日産リーフの登場から間もなく10年。「EVもいよいよ面白くなってきたなぁ!」と感じさせるのがホンダeの登場だ。
初期のリーフはとにかく航続距離を伸ばすことが課題。それがリーフe+の62kWh/WLTCモード458km達成で一段落。EVの実用性に一定のメドをつけたパイオニアとして、その功績は大といっていい。
ところが、今回試乗したホンダeは35.5kWh/WLTCモード259kmというスペック(アドバンス仕様)。
この数字だけを見ると、リーフの中期型くらいのレベルに戻ってしまったかのような印象を受ける。
しかーし! 実はそこがホンダeの「攻めているトコロ」なのだ。
初代リーフの頃に比べれば、充電施設網も整備されたしリチウムイオン電池の性能(容量だけではなく充放電能力)も向上した。
だったら、航続距離は200km程度に割り切って、「実用」より「楽しさ」に振ったEVを作るのもアリかも? それをカタチにしたのがホンダeなんですよ。
こういう電池容量の適正化を重視したEVを、ボクは「EV2.0」と呼んでいるんだけど、ホンダeはその第一号。“攻め”のクルマ作りが絶えて久しかったホンダだったけど、久々にぶっ飛んだ企画を通したもんだと、ちょっと感動しております。
搭載電池容量を減らすと、重量、スペース、そして何より予算の自由度が増える。
アモーター後輪駆動の専用プラットフォームを造って、シティコミュータに重要な小回り性能を高める。
可愛い系グッドルッキングなエクステリアに、内装ではフル液晶インパネに思い切った予算を投じる。もちろん、コネクテッド機能やインフォテイメント系もいま考えられる最先端を目指す……。
もちろん、リーフと違ってファミリーカーをこれ一台でまかなうのはキツイけど、そのかわり持つ喜びとか使う楽しさは新次元。
今、500万円のEVを買ってもらうためには、むしろこれが現実的な戦略。ホンダはそう判断したわけです。
グローバル年間1万台という目標、ボクは簡単に達成しちゃうと予想するな。
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