日本海側の山沿いを中心に、豪雪によってクルマが立ち往生する事態が相次いでいます。何十時間もクルマのなかで過ごす、となると、あらゆることを心配する必要が出てきます。今回は、「豪雪で身動きが取れなくなったら、まず初めに心配すべきこととは何か」を、考えていきたいと思います。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、MITSUBISHI、MAZDA、SUBARU、Adobe Stock、写真AC(トビラ写真:Adobe Stock@Mak)
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何よりもまず「一酸化炭素中毒の対策」を!!
雪で身動きが取れなくなったとき、命を守るためには、エンジンを「かけ続けないこと」が重要です。その理由は、一酸化炭素中毒の抑止。クルマが雪に埋まった状態でエンジンをかけていると、排気ガスが行き場を失い、車内に一酸化炭素が充満してしまいます。一酸化炭素は無臭で気付きにくいため、非常に危険なのです。
もちろん、エンジンをかけなければ、暖房もありませんから、毛布などにくるまり、カイロなどで手足の体温を維持するのがよいそうです。寒さに耐えられないときは、エンジンをかけてもいいですが、排気ガスが出るマフラー付近をこまめに除雪しつつ、窓を開けるなどの換気も心掛ける必要があります。
JAFの実験では、クルマがボンネットの上まで雪で埋まった状態でエンジンをかけても、マフラー周辺を除雪しておいた場合、車内の一酸化炭素濃度は、ほとんど上がらなかったそうですが、同条件でマフラー周辺を除雪せず、運転席の窓を5cmほど開けただけの場合、風がないとCO濃度が「2時間で失神する危険レベル」まで上昇したようです。
これは、ガソリン車だけでなく、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も同様です。日産リーフなどの純・電気自動車の場合は、マフラーはありませんので、マフラーの排気口の周りを除雪する必要はありませんが、周囲にいる他車の排ガスが流れてきて、「もらい中毒」をしないように気をかけておく方が良いでしょう。
しかしながら、電気自動車の場合も、暖房をつかうことは命取りとなる可能性があります。冬場の暖房は電力を大量に消費するからです。電気自動車にとって、電欠は命取り。シートヒーターを活用し、電力をセーブしながら救援を待ちましょう。
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