2013年の発売からこれまで1万4000台以上売れている身近なコンプリートカーがホンダの「モデューロX」シリーズ。
2021年4月には待望のフィットもラインナップされる予定で、今回はそのプロトタイプに試乗した。
試乗のキーワードとなったのは「実効空力」デバイス。詳しい説明は下段に結弦が、より効率的に得られるようになったダウンフォースは今回の試乗でもその威力を如実に示してくれた。
最新のフリード モデューロXホンダセンシング試乗と合わせてお送りする。
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※本稿は2020年12月のものです。試乗日:12月3日
文/岡本幸一郎、写真/ベストカー編集部、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』 2021年1月26日号
■「実効空力」の向上でよりピタッと走りよりシュッと曲がるフィットに
「ホンダ車を知り尽くしたエンジニアが匠の技で上質に熟成させた純正コンプリートカー」であるモデューロXは、2013年のN-BOXを皮切りに、フリードまで6車種がラインナップされた。
そして近い将来発売予定のフィットのプロトタイプをいちはやくドライブする機会に恵まれた。
足回りにももちろん手が加えられているが、ポイントは3つのフィンによる「実効空力デバイス」だ。未塗装のフロントバンパーには、このキーテクノロジーが盛り込まれている。
標準車と乗り比べることもできて、こうした路面がフラットでミューの高いサーキットでは、ノーマルもなかなかよく走ることをあらためて確認したのだが、モデューロXの走りはさらに洗練されていて目からウロコだ。
ステアリングの据わりがよく、直進安定性の高さは段違い。
コーナリングでのターンインもよりスムーズになっていて、動きが素直で一体感もある。
ステアリングがやや重く感じられたのは、それだけ空力が効いていることの表れ。
電動パワステには手が加えられておらず、履いているタイヤも同じながら、そうとは思えないほどグリップ感が増している。
さらには、よく動いてしなやかに路面を捉えながらも適度にひきしまった足回りと実効空力デバイスの相乗効果でロールやピッチも抑えられていて、フラット感も高い。
コース上には幅員2.2mという隘路も設定されていて、ノーマルではおそるおそる走る感じだったところ、モデューロXは修正が圧倒的に少なくてすんだのも、それだけ操縦性が正確だからにほかならない。
首都高速の継ぎ目を模して設定された段差でも横っ飛びすることはなく、振動が素早く収束することも確認できた。
一連の走りの変化は件の実効空力デバイスが気流の乱れを抑えて旋回姿勢を整えてくれているからに違いない。
軽快なフィットとモデューロXのノウハウの組み合わせは、想像以上によさそうだ。
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