モーターの力で「走り」も注目! 日産 e-POWERで魅力的なスポーツモデルは作れるか?
2020年12月発売の新型ノートを筆頭に、直近では2021年2月に発表されたキャシュカイe-POWERで、可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとして搭載するなど進化を遂げているe-POWER。
先代ノートではすでにe-POWER NISMOモデルが設定されていたが、より一層ベース車と差別化を図ったスポーツモデルの素材としても興味深い存在だ。
そこで本稿ではe-POWERを使ったスポーツモデルの可能性を考察。そのカギを握るパーツとは?
文/松田秀士 写真/NISSAN、編集部
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同じモーターを使うノートe-POWERとリーフの「違い」
新型ノートは近未来を予感させるようなソリッドなデザインが好評で、筆者自身も先日500km近い試乗を楽しんだところ。そこで感じたのは高速道路におけるプロパイロットの半自動運転のような優秀な制御。そしてe-POWERの進化だ。
e-POWERは「電気自動車の新しい形」と日産が言うように、ガソリンエンジンで発電して、その電力を使い電気モーターで走行するというもの。したがってガソリンさえ給油すればどこまでも走り続けることができる。
e-POWERの進化に関してはすでにキックスでも体験済みだが、モーターパワーの制御と切れの良さ、そして室内静粛性のために無駄にエンジンを稼働させないなど、きめ細かな制御プログラムが投入されている。
実は、新型ノートをお借りする前にリーフe+「G」を借りて試乗した。新型ノートは直3・1.2Lのエンジンで発電し、小さいながらも高電圧のリチウムイオン電池に充電しながら116ps/280Nmを発生する電気モーターで駆動する。
一方のリーフe+「G」に発電エンジンはなく、62kWhのリチウムイオン電池に外部電力を充電し、そこから電力を取り出して218ps/340Nmを発生する電気モーターを走らせる。
ノートe-POWERに対してリーフe+「G」は、倍近いパワーを持っていて、加速性能では雲泥の差がある。つまりリーフe+「G」のアクセル全開での加速性能はもの凄い。
実はこの2台、使用している電気モーターは同じもの。同じモーターを使用しているのにこれほどのパワー差が出るのは、使う電力の差があるから。ガソリンや軽油などの内燃機関は、ターボやエンジンをチューンしなければパワーアップはしない。
しかし、電気モーターはより大きな電力を与えてやるだけでパワーアップする。つまり、新型リーフの3気筒1.2Lエンジンが発電する電力では、116psが加速性能や航続距離のバランスがとれているのだ。
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