2020年2月17日、テスラモーターズジャパンが大幅な値下げを行った。モデル3のスタンダードレンジプラスは、以前は511万円であったが、82万円値下げされて429万円になった。
同様にリチウムイオン電池の容量に余裕を持たせたモデル3のロングレンジは、655万2000円から、156万2000円値下げされて499万円になっている。ちなみに717万3000円のパフォーマンスについては価格の変更はなし。
電気自動車の購入に際して交付される経済産業省の補助金は、2020年度の実績で40万円が上限だ(給電機能が装着された車両は42万円)。テスラでは、すべての車種に上限額の40万円が交付され、この金額は値下げをした後も変わらない。そうなるとモデル3のスタンダードレンジプラスは、429万円から40万円を差し引いた389万円で入手できる。
なんと300万円代でテスラが買えるのである。記憶を辿ると、1994年にレンジローバーが300万円値下げした時以来かもしれない。
なぜ、これだけの大幅な値下げが行われたのか? 今後、ほかのモデルも追随していくのか? もっと安くなっていくのか? モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/ベストカー編集部 テスラモーターズジャパン
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最も安いモデルは補助金40万円を差し引くと389万円!
2年前に日本で発売されたテスラのエントリーモデル、モデル3。モデル3のスタンダードレンジプラスは、429万円から補助金額40万円を差し引いた389万円。この金額は、リーフに40kWhのリチウムイオン電池を搭載するG(418万9900円)に近い。
リーフGの補助金額は42万円だから、376万9900円で手に入る。同様の出費で買える車種を電気自動車以外で探すと、アルファードS(390万8000円/7人乗り)、レヴォーグGT-H・EX(370万7000円)、メルセデスベンツA180(367万円)といった具合だ。テスラモデル3は、以前は割高な印象を受けたが、82万円値下げされると印象が変わる。
またモデル3ロングレンジは、1回の充電で走行可能な距離が長い。スタンダードレンジプラスは、WLTPモード走行で448kmだが、ロングレンジであれば580kmに伸びる。しかもデュアルモーターのAWD(4輪駆動)だから走行安定性が向上して、パワーアップにより加速も一層鋭くなる。
ロングレンジは156万2000円値下げされて499万円になり、40万円の補助金額を差し引くと459万円だ。この金額はリーフに62kWhのリチウムイオン電池を搭載するe+G(499万8400円)に近い。42万円の補助金額を差し引くと457万8400円になる。
そしてリーフが1回の充電で走行できる距離は、40kWhのリチウムイオン電池を搭載するGがWLTCモードで322km、62kWhのe+Gは458kmだ。モデル3はスタンダードレンジプラスが448km、ロングレンジは580kmだから、価格が同程度のモデル3とリーフを比べると、航続可能距離はモデル3が120kmほど長い。
このように見ると、モデル3はこの値下げで割安感を大幅に強めた。特に日本の電気自動車では、リーフが圧倒的に高機能で買い得だから売れ行きも一番多い。今までは無敵の電気自動車であったが、初めて登場した強敵がモデル3といえそうだ。
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