一見すると、ノーマルなセダン。しかし中身は、最高出力472psにも達する 排気量5L V8 NAエンジンの後輪駆動(FR)4ドアスポーツセダン。2021年2月22日、北米レクサスが発表した『IS 500 F SPORT パフォーマンス』だ。もはや絶滅危惧種である大排気量NAスポーツカー。しかし、「5L V8 NAエンジン」というスペックに心躍らせたのは筆者だけではないだろう。
これまで、レクサスのスポーティグレードといえば「F SPORT」であったが、今回ISに設定された「F SPORT パフォーマンス」はそれを遥かに凌ぐ性能をもつ新グレード。シリーズとして今後続く可能性は大いにある。
本稿では、この『IS 500 F SPORT パフォーマンス』の詳細についてご紹介していくとともに、このモデルの日本導入の可能性についても、考察していく。
文/吉川賢一
写真/LEXUS
【画像ギャラリー】ボンネットのふくらみはハイパフォーマンスの証。レクサス『IS 500 FSPORT パフォーマンス』を写真でチェック!!
■ファンを熱くする、至高のハイパフォーマンスセダン!!
やはり、最大の注目ポイントは大排気量のエンジンであろう。レクサス『IS 500 Fスポーツ パフォーマンス』に搭載されるのは、排気量5L、V型8気筒のノンターボエンジン。同社のハイパフォーマンスカー、『RC F』や『LC500』と同じNAエンジンだ。
最高出力は472ps/7100rpm、最大トルクは535Nm/4800rpm。トランスミッションは、8速スポーツダイレクトシフトオートマチック(8 Speed SPDS)を採用し、0-60マイル(約96km/h)加速は4.5秒を誇る。通常のIS F SPORTに搭載されているのが、3.5LのV6 NAエンジン(最高出力318ps/最大トルク380Nm:日本仕様)であるので、1.5倍に近いパワーアップをしたことになる。
エンジン本体に高さがある5Lエンジンを収めるため、ボンネットフードを2インチ(5センチメートル)ほど高く必要があり、その部分には、彫刻のような深いキャラクターラインが入れられている。そして、この深いキャラクターラインが、ただならぬオーラを創り出してもいる。
ほかにも、『RC F』を彷彿させるデュアルスタックテールパイプを左右出した「クワッドエキゾーストシステム」や、足元には、エンケイ製の専用19インチアロイホイールを採用。IS F SPORT標準の19インチよりも、デザインが複雑になりながらも、軽量化もなされている。
また、これまでのFモデルと区別するため、フロントフェンダー後ろ側と、ステアリングホイールの下端へ、「F SPORT Performance」独自の黒いバッヂを装着している。
ダーククロームウィンドウトリムや、インテリアでもメーター起動時の専用アニメなど、本グレードだけの「おもてなし」が追加されている。ド派手なエアロパーツによる外見の差別化も重要だが、こうした細かな演出も、ファンにとっては嬉しいポイントだ。
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