シティクロスオーバー「UX300e」の投入で、EV市場に本格参入を開始したレクサス。2019年に発表した電動化戦略「Lexus Electrified(レクサスエレクトリファイド)」に続いて、その電動戦略を加速させるべく、2021年3月末に新しいEVコンセプト「LF-Z Electrified(LF-Zエレクトリファイド)」を発表した。
あくまでコンセプトカーであるが、ゼロからEVの理想を追求したモデルであり、エンジン車にも劣らないどころか、それを上回る高性能なスペックが与えられているのが特徴だ。
そこで、現在市販されているEV、もうすぐ登場が予告されている最新EVと比較し、「LF-Z Electrified」の実力に迫る!
文/大音安弘
写真/レクサス
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レクサスが発表したEVのスーパーSUV降臨
2021年3月30日に世界初公開されたEVコンセプト「LF-Z Electrified」は、レクサスの電動化戦略の方向性を示すだけでなく、次世代のレクサスを象徴する存在として紹介された。
見た目は、クーペSUVとして仕立てられ、かなりスポーティな装いをしている。その伸びやかなスタイリングは、全長4880mm×全幅1960mm×全高1600mmとミッドサイズに収まるもので、日本車としてはやや大きめだ。
特筆すべきは、その性能で400kW(544ps)/700Nm(71.4kgm)の高出力モーターと90kWhの大容量バッテリーの搭載をしていること。これにより、エンジン車並みの航続距離600km(WLTP)、0~100km/h加速が3.0秒と、一級スポーツカーと競えるものが与えられるという。見た目はSUVだけど、その走りはスポーツカーというわけだ。
そのスポーティな走りを支える新技術「DIRECT4」の採用も大きなトピックで、自在な制御を可能とするモーターの強みを活かし、人の感性に寄り添った車両制御を行うという。
このため、走行状況に合わせて、駆動方式がFF、FR、AWDなど適切な駆動方式を選択される。またステアリングもバイワイヤーとすることで操作の質感やダイレクト感も強めるようだ。
新たなEVの走りの魅力を提案すると思われる「LF-Z Electrified」の最大のライバルは、日産アリアだろう。スタンダードなSUVスタイルで、高性能バージョンのモーター性能でもLF-Z Electrifiedよりも低い290kW/600Nmに留まる。
しかし、注目すべきは、日産が新開発したAWD「e-4ORCE」の存在だ。「e-4ORCE」は、日産の4WDシステム「アテーサE-TS」などの開発知見が活かされたEV専用システムだ。
前後トルク配分が通常時は50:50だが、路面状況や走行シーンに応じて0:100~100:0まで自動的に最適な配分に変更。
さらに減速時は、前後モーターによる回生ブレーキと4輪の油圧ブレーキを組合せて制御することで、コーナリング性能を向上させている。
実際に、テスト車に同乗したことがあるが、加減速に影響されにくい安定した姿勢制御や鋭いコーナリングには驚かされた。レクサスの新しい4WDの同じような狙いがあると思われるが、より高い性能のモーターとバイワイヤーのステアリングという武器を加え、どのような味付けにしてくるのか、大いに期待だ。
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