賛否両論はあれど、今のホンダに足りないものはなんだろうか?
どれにも似ていない個性と、時代を突き抜けた発想力、そしてなんといっても走りの楽しさが昔のホンダ車にはあった。
そうしたものは今のホンダ車には感じられるだろうか?
そこで、かつてボクらクルマ好きが熱狂した、時代を突き抜けたホンダスポーツはどんなクルマだったのか?
そして今、そのクルマたちはいくらで買えるのか? またこの先、ホンダに出してほしいクルマを挙げてみた。
文/萩原文博、写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 ホンダ
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■これからのホンダは楽しくなっていきそうだ!
2021年、ホンダ最後F1シーズンが2021年3月28日バーレーンGPで幕を開けた。最後の年そして20歳の日本人ドライバー、角田裕毅選手の参戦ということだけでも注目が高かったが、予選P1から決勝のレースのゴールまで目が離せない展開となった。
絶対王者であるメルセデス&ルイス・ハミルトンに対し、レッドブル・ホンダのマックス・フェスルタッペンは決勝では惜しくも2位となったが、その差はわずか0.7秒。さらに予選ではポールポジションを獲得するなど、ホンダ最後のシーズンの期待値が一気に高まったからだ。
アラフィフの筆者だけではないかもしれないが、ホンダ=F1だ。1985年のウィリアムズ・ホンダからF1を見始めて、自分が免許証を取得した1988年はアラン・プロストとアイルトン・セナが16戦15勝という驚異的な結果を残した年だった。
そして自分にとってテレビで見た忘れられないシーンの一つが、本田宗一郎社長に声を掛けられたアイルトン・セナが感動のあまり泣いてしまうという場面だ。
1993年から自動車業界に携わるようになった筆者はスカイラインの父と呼ばれた櫻井眞一郎氏をはじめ、多くの自動車業界のレジェンドにお会いでき、幸運にもインタビューをすることができた。しかし、残念ながら1991年に亡くなられた本田宗一郎氏にはお会いすることができなかった。
しかし、本田宗一郎氏の残した名言やスピリットは茂木にあるホンダコレクションホールの展示物からヒシヒシと伝わってくる。その展示物から最も強く感じたのが「挑戦」という印象だ。
名言の一つである「成功は99%の失敗に支えられた1%だ。」という言葉のとおり、「マスキー法」をクリアしたCVCCエンジンをはじめ、ホンダはこれまでの常識を覆す「突き抜けた商品」を世に送り出した。
それは「需要がそこにあるのではない。我々が需要を作り出すのだ。」という考えから発生した名言の一つと言える。
そこで、ここではホンダが突き抜けていた時代の象徴的なモデルと現在の中古車相場を紹介するとともに、将来ホンダに作ってもらいたいクルマを考えてみた。
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