■バモスホンダ/こんなにイカしたクルマはなかなかない
まずは、1970年11月に販売開始したバモスホンダだ。バモスというと1999年に登場したエンジンを後席床下に搭載したMRの軽ワゴンを思い浮かべるが、もっと突き抜けたクルマが約50年前に販売されていた。
バモスホンダは、ドアのないユニークなスタイルを採用し、保護用のガードパイプを設置。さらに強固なロールバーやシートベルトを全席に装備するなど安全性を考慮した設計となっている。
さらにシャープな起動力やタフなエンジンと足回りにより、働くクルマとして最適な設計だ。2人乗りと4人乗りが設定され、4人乗りにはフル幌モデルも用意。シートはキャンバス製の防水シートでリアを折り畳めば荷物スペースにもなる。
エンジンは360ccの直列2気筒OHCで最高出力は30psを発生した。現在バモスホンダの中古車は2台流通していて、価格帯は約170万~約190万円となっている。2人乗りと4人乗りが各1台ずつ流通しているが、このバモスホンダで街を走れば目立つこと間違いなしだ。
■初代シティ/シティターボIIブルドッグのような過激さが今欲しい!
続いては1981年に登場した初代シティ。背の高いトールボーイスタイルという外観デザインを採用し、コンパクトなボディながら広い室内空間を確保したモデルだ。この外観デザインだけでも突き抜けているが、さらに突き抜けているのは、シティと同時に開発されたトライクバイクの「モトコンポ」の存在。
シティ搭載用のトライクバイクとして開発したモトコンポによる6輪ライフの提案を試みたところがこれまでの常識を越えている。シティは従来のクルマの概念にとらわれず、居住性や燃費、動力性能などクルマの機能を最大に追求。
その一方で人のためのスペースは最大に、 メカニズムは最小にするM・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想に基づいて設計された都会的な感覚をもつ若者をターゲットとしたニューコンセプトカーだった。
ビジネスモデルのプロやピニンファリナが手がけたカブリオレなどもあるシティだが、やはり最も突き抜けたモデルといえば、1983年10月に“ブルドッグ”の愛称で登場したシティターボIIだ。
最高出力110psを発生するエンジンは専用に燃焼室形状を変更し、アンチノック性能を向上させたニューコンバックスエンジンを搭載。
さらに小型、高効率のインタークーラー、小型・高回転のターボチャージャー、そして過給圧を制御するウエストゲートコントロール機構を備えた電子制御燃料噴射装置のPGM F-1を採用している。
高出力エンジンに対応したチューニングを施したサスペンションなどにより軽快なフットワークを実現している。
現在シティターボIIの中古車は3台流通していて価格帯は約169万~約225万円と新車時価格の123万円を上回っている。ちなみにターボIは1台しか流通しておらず、価格は約135万円でターボII以上にレアな存在となっているのだ。
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