人間の病気では、少し痛いくらいなら放っておけば直るだろう、こんなのは病気じゃないとそのままにしている場合があります。
クルマにも同じようなことがいえます。そのまま放りぱなしにしておくと知らず知らずのうちにクルマを蝕んでいく運転、やっちゃいけない行為を改めて紹介します。クルマを長持ちさせる基本とは?
文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 Adobe Stock
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優先順位を考えた運転操作をすべき理由
●急の付く動作は行わない
危険回避のための急ブレーキ以外は、急の付く動作は行なわないに限る。そんなことは基本中の基本で、ブッシュ類などの緩衝材がキチンと機能してくれているから、ドライバーは気にせずに運転操作をしているけれど、そうした緩衝材やタイロッドエンドなどの接続部分は少しずつダメージが与えられ、部品の寿命を縮めていく。
●停車中のハンドルの据え切り
タイヤを傷める行為として良く言われるのが、停止中のステアリング操作、いわゆる据え切りだ。
パワーステアリングが装備されていないクルマで据え切りを行なったことがあれば、それがいかに力を使う行為、すなわちタイヤの設置面に大きな力が掛かることが分かるのだが、そんな経験をしたことがある人はほとんどいないだろう。
しかしパワーステアリングによってドライバーの負担が軽減されて、軽々と据え切りを行なえるようになってはいるが、タイヤの負担は変わっていないどころか、車重が増えてますます増加しているのだ。
それでもタイヤのゴム分子の改良やトレッドデザインの進化でブロック剛性も高まっており、据え切りに対する耐性も高まっていることも事実。
据え切りがタイヤにとって良くない行為であることは明白だ。しかし、都市部の狭い駐車スペース(通路部分も含めて)では据え切りをしなければ何度も切り返しをすることになり、時間が掛かるだけでなく立体駐車場の機械や他車などに接触するリスクも高くなる。
安全を最優先して、その次に時間や快適性を重視するのか、クルマやタイヤの寿命を考えるのかは、オーナーが選べばいいことだ。
●タイヤの空気圧を気にしないのはアウト!
タイヤの空気圧は正常な状態でも自然に少しずつ減っていくため、定期的にチェックする必要がある。空気圧不足は操縦安定性を悪化させたり、タイヤの寿命を縮めるからだ。
例えば、不足するとタイヤが変形して左右にフラついたり燃費が悪化。高速連続走行時にはたわみによりタイヤが発熱し、最後にはバーストしてしまう「スタンディングウェーブ現象」を起こしやすくなる。
また、「空気圧はタイヤのたわみ具合で判断」などとよく言われるが、これはハッキリいって無理! パンクしてペチャンコになっていたならまだしも、見た目だけでは正確な判断はできない。パンクの有無の確認手段としては有効なため、乗車前に目視チェックすることは大切だが、空気圧の確認には空気圧ゲージが必須となるので注意したい。
なお、空気圧をチェックときは走行前のタイヤが冷えているときに行うのが原則となる。暖まると膨張するからで、測定するならドライブ前に行う。
また、測定にはタイヤゲージが、圧が低くて空気の充填が必要となったらエアポンプも必須ゆえ、ガソリンスタンドに行ったついでに点検・補充してもらう、あるいはゲージ付きエアタンクを借りて行うのが現実的かつベストな点検方法といえるだろう。
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