2021年4月に登場した新型ヴェゼルが絶好調だ。事前受注開始から2ヶ月で2万9500台。なんと計画台数の約3倍のペースで売れているというから驚きだ。
この新型ヴェゼル属する国産コンパクトSUVといえば、2020年6月に日産キックスが、続く8月末にはトヨタヤリスクロスが登場しており、今回の新型ヴェゼルの登場で、国内3大メーカーから、「コンパクトSUVの雄」が出そろったことになる。
1年以内という発売時期に差の少ないこの3台は、「最新車種が最良」とはいかず、購入を検討されている方にとっては、非常に悩ましいところであろう。そこで、ヤリスクロス、キックス、新型ヴェゼル、それぞれの長所と短所をまとめてみた。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、ベストカー編集部
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「コスパのよさ」が光る、ヤリスクロス
ヤリスクロス最大の長所は、なんといっても「コスパのよさ」だ。ガソリン仕様が車両価格税込189.6万円(X/2WD)、ハイブリッド仕様でも228.4万円(ハイブリッドX/2WD)と、他メーカーのSUVよりも、1ランク以上も価格が安い。
50mmトレッドが広い、欧州版ヤリスのリアサスが使われていることもあり、走りの素性が良く、卓越したハンドリングも持ち合わせているのが、ヤリスクロスの凄さだ。1.5LのNAガソリンと1.5Lハイブリッド、それぞれにFFと4WDを設定するなど、日本の降雪地域の需要にも、しっかりと応えている。
その反面、他の2台と比べると、コンパクトなボディサイズ故の、後席スペースの狭さは気になる。ヤリスよりはまだましだが、荷室エリアも必要最小限ということは覚悟した方が良い。
ちょっとの旅行であれば問題ないが、キャンプ道具一式を満載していくにはちょっと無理があり、「SUV」としての用途に向いているとは言えない。むしろ荷室だけならば、ミニマムSUVのライズの方が広く感じるくらいだ。
また、欧州車チックなフロントフェイスのため、高級感はあるが、ライズやRAV4のような日本人が求めがちな「分かりやすいカッコよさ」は、イマイチ感じられないかもしれない。
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