環境規制や騒音規制、そして自動運転・電動化。否応なく押し寄せる「ゲームチェンジ」の波の中で、ホットハッチモデルの先行きを危ぶむ声は少なくない。
クルマ「を」愉しむ時代から、クルマ「で」愉しむ時代へと変わり始めた時に、ドライビングそのものを愉しむモデルたちが岐路に立たされること、それはある意味決まっていたことだったのかもしれない。
とはいうものの、まだまだホットハッチを楽しみたいクルマ好きたちのために、古今東西のホットハッチの話題をかき集めてみた。ホットハッチの未来へと繋がるハナシもある?
※本稿は2021年5月のものです
文/片山英明、国沢光宏、松田秀士 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年6月10日号
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■そもそもホットハッチにはどんな歴史がある?
ホットハッチとは、ファミリーカーに高性能なパワーユニットを搭載したハッチバックモデルのことだ。
元祖はミニクーパーSだが、これはハッチバックじゃなかった。多くの人がホットハッチと認めているのは、1975年秋のフランクフルトショーでベールを脱いだフォルクスワーゲンゴルフのGTIである。
燃料噴射装置で武装し、高性能化した1.6Lの直列4気筒を積み、サスペンションもハードに締め上げた。峠道で豪快な走りを見せ、レースやラリーでも大暴れしている。
同じ時期、ルノーも5(サンク)にホットハッチのアルピーヌを設定し、これは1979年に5ターボへと発展した。また、WRC出場の公認を取るためにミドシップに改造した超過激モデルも製作する。
プジョーも205ターボ16を送り出した。また、ランチアは1979年にデルタを発売したが、これをフルタイム4WDに変更し、2LのDOHCターボを搭載した刺激的なHFインテグラーレも投入する。
日本でも1980年代からシャレード・デトマソやシビックSi、カローラFX・GT、ファミリア4WD・GT-X、ミラージュ・サイボーグターボ、マーチスーパーターボ、パルサーGTI-Rなどが誕生し、速さと技術力を競った。
(TEXT/片岡英明)
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