一般社団法人日本自動車工業会、通称「自工会」と呼ばれる団体が日本にはある。日本の基幹産業でもある自動車メーカーを会員とした団体だ。
その「長」となるのが自工会会長になるのだが、2018年5月に豊田章男氏(トヨタ自動車社長)が就任した。自身2度目の自工会会長(任期2年)に就任したいま、なにを考えて、なにを生み出そうとしているのか?
今回はベストカーが豊田章男自工会会長にインタビュー。その答えやいかに!?
文:ベストカー編集部/写真:西尾タクト
ベストカー2018年7月26日号
■「高すぎる自動車税をなんとかしなければなりません」
Q1. 自動車の税金についてどうお考えですか?
自工会の役目は”絶対に”税金対策、高すぎる税金をなんとかしなければなりません。
とにかく日本の自動車関係の税金はとんでもなく高いんです。政治家は取りやすいから自動車ユーザーから取っているんです。
例えばユーザーの皆さんが自動車会社決算発表を見た時にどの自動車メーカーも儲かっているじゃないか! 自動車会社がもっと税金を払えばいいじゃないかと思う人は多いはずです。
そうじゃないんだ、日本が特別なんだということです。全部、軽自動車に合わせれば国際基準になります。地方では軽自動車は”公共の乗り物”ですから軽の税金を上げるなんて絶対ダメです。
普通車を軽自動車並みにすることで国際基準になります。これをとにかくなんとかしたい。
Q2. 東京モーターショーについてのお考えは?
東京モーターショーは幕張メッセから東京ビッグサイトに会場を移し、時間を延長するなどしてきました。ただ日本の市場がシュリンクしているため、海外メーカーにとって魅力がなくなりました。
マーケティングから見た場合、魅力がなくなってきたということを我々は真摯に受けとめなければなりません。
ではネット世代の若い人たちは”クルマ”に興味がないかといえば、そうじゃないと思います。
例えばeスポーツは世界中の若者に人気ですよ。各国の予選を勝ち上がってきた若者たちを呼んでeスポーツの世界選手権を東京モーターショーと組み合わせてできないか?
できるかどうかわかりませんが、そういった柔軟な発想を持って、我々自工会側も変わらなくてはならないと思います。
Q3.東京モーターフェスは今後どうなりますか?
東京モーターショーが開催されない年に東京モーターフェスをやってきました。あれは私が前回自工会会長だった時に始めたものです。
2年に一回じゃもったいないということで始めました。これまで3回やってきていいこともあれば、マンネリの部分もあるように思いますが、続けたらいいと思います。
ただ自工会会長として反省すべき点があるとすれば、もう少し現場に寄り添うことです。というのもモーターフェスにかぎらず、2年に一度自工会会長が変わるたびに現場が振り回されていることも事実なんです。
結果的にせよ、振り回すことになればクルマを愛するお客さんにメリットは生まれませんから、2度目の今回は現場の声を吸い上げ、しっかりと応援していきたいと思います。
さきほどマンネリと申しましたが、ファンの価値観は変わっていますから、一度やったことはもう当たり前になります。ですから、常に期待を超えたものをやっていきたいと思います。
東京モーターショーにせよ、東京モーターフェスにせよ、「クルマファンを増やすこと」と「クルマに対する理解を深めてもらうこと」の2点が目的ですから、それをぶらさずにやっていきたいと思います。
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